ガソリンエンジンとディーゼルエンジン。同じエンジンですが、基本的な構造が違います。ガソリンエンジンはスパークプラグを使って、混合気に火を飛ばして爆発させます。
ディーゼルエンジンは、圧縮したシリンダーの中へ燃料を送り自己着火で爆発させます。
点火系統を持っているのがガソリンエンジン。そうでないのがディーゼルエンジンです。
一昔前のディーゼルエンジンは、黒煙をモウモウと吐き出すイメージがあると思います。今のディーゼルエンジンはコモンレールディーゼルとなり、ちゃんとした触媒があるので、驚くほど排気ガスが奇麗になっています。
実はディーゼルエンジンの排気ガスが奇麗になったコモンレールディーゼルの登場で、変わったものが2つあります。それは燃料である軽油。そしてエンジンオイルです。
昔のディーゼルオイルと今のディーゼルオイルは全く別物になっています。今回はディーゼルエンジンのオイルを取り上げてみます。
目次
ガソリン・ディーゼル共用のエンジンオイルがある
黒煙をもくもくと履いていたころのディーゼルエンジンには、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの両方を潤滑出来るエンジンオイルが存在していました。
いわゆる共用オイルです。ガソリンの規格とディーゼルの規格、両方の記載があるものです。
ちなみに規格がガソリンの記載が初めに書いてあるものと、ディーゼルの規格が初めに書いてある2つパターンがあります。
これは主にどちらに重きを置いているかということです。
こういった共用オイルであれば、ガソリンだろうが、ディーゼルだろうが大丈夫です。
しかし、今のディーゼルエンジンにはDL-1やDH-2というエンジンオイルを使っています。
これは従来のオイルと何がちがうのか?
DL-1やDH-2にはDPFとよばれる、フィルターを装着したディーゼルエンジン専用に設計されたオイルです。
DL-1やDH-2をガソリンエンジンにいれてはいけない
DL-1は小型のディーゼル。DH-2は大型のディーゼル専用のエンジンオイルです。
今のクリーンディーゼルにはDPFというフィルターがついて、排気を奇麗にしています。専用のエンジンオイルを使わないと、このDPFが詰まってしまうんです。
そのため、DL-1やDH-2のオイルをちゃんと使わないといけない。
従来のエンジンオイルと何が違うのかというと、添加剤に含まれる金属分を大幅に低減しているところにあります。
では、このDL-1やDH-2をガソリンエンジンに入れたらどうなるのか?
これはマツダのHPにも記載がありますが、
ガソリンエンジンのオイルは高回転の摩耗に適したモリブデンが多めに配合されています。
ディーゼルエンジンのオイルは軽油が燃焼した際に発生する硝酸の中和剤が入っています。
ガソリンエンジン用のエンジンオイルをディーゼルエンジンに使用すると、DPFを詰まらせてしまう原因となる場合があります。
また、ディーゼルエンジン用エンジンオイルはガソリンエンジンには適していません。
間違えてしまった場合は、速やかにマツダ販売店にご相談ください。マツダHPより引用
このようにマツダHPでは明確にNGとしています。
理由を考えてみると、ガソリンエンジンってどちらかというと高回転もつかうエンジン。ディイーゼルはトルクが太く、エンジンの回転数がガソリンに比べて低いです。
DL-1などをガソリンエンジンに入れると、高回転域で何かしらの問題が出てくるのかなと。
今のDL-1を昔のディーゼルに入れたら?
それでは今のDL-1を昔のディーゼルエンジンに入れたらどうなるのか?
これは両方の規格をカバーしているものであれば大丈夫です。
DL-1とCF-4といった両方の規格の記載があるオイルなら大丈夫です。
逆にDL-1しか書いてないものを昔のディーゼルに入れるのはやめておいた方が無難でしょう。
今のクリーンディーゼルはガソリンエンジン以上にいろんなパーツがついて、きめ細かい制御をしています。DPFを交換するとなると、相当な金額がかかりますのでちゃんと適したオイルを選んでください。
僕がやってるYouTubeチャンネルでは、オイル交換にまつわることもたくさん実験しているのでよかったらチャンネル登録おねがいします。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。