近年のガソリン車の点火方式といえば、ダイレクトイグニッションシステムになっています。
ちょっと前まではイグニッションコイルは1つか2つで、プラグコードやディスビを介して点火プラグへ火花を配分していました。
ダイレクトイグニッションシステムは、ロスの多いプラグコードを廃止することができることや安定した点火火花を供給できるなどメリットが多いです。
ただその反面最近はダイレクトイグニッションのコイルがダメになるケースがあとを絶ちません。
ダイレクトイグニッションならシリンダーの気筒数だけイグニッションコイルがあることになります。
ここ最近このダイレクトイグニッションがよく壊れるのです。
壊れるのが大体リークしたりして、エンジンが片肺になったりするケースです。
診断方法は簡単で、コイルの固定ボルトを全て外しておきます。
エンジンをかけた状態でダクレクトイグニッションコイルを1ずつ持ち上げる。
すると不調になっているコイルを持ち上げてもエンジンの反応は変わりません。
正常なコイルを持ち上げた時はエンジンがエンストもしくは調子が悪くなります。
最初にこの診断。不調になったコイルと正常だったコイルを交換してみて、症状が入れ替えたシリンダーに移動したら間違いなくイグニッションコイル不調です。
コイルを交換しても変わらない場合はプラグがダメということになります。最初からコイルとプラグの両方を取り外しちゃうとわかりにくくなるのでポイントになります。
本来ならOBDを使ってインジェクターを止めたパワーバランステストをするのが筋なんですが、DIYで診断する時はこの方法が有効。感電には注意してください。
そしてここからが本題なんですが、走行距離がある程度走っていて、コイルが1つダメになったら全部交換してください。
ダイレクトイグニッションが出始めた頃、よく失敗しました。
不調になっているコイルだけを交換したらのちに他のコイルもダメになった。
なので基本はダイレクトイグニッションコイルは全数交換するということですね。
まれに製品不良などのコイルがあるので、あまりにも走行距離が進んでいないのにコイルが不良になっている場合は1つだけ交換するためしもありかもしれません。
これもちょっと知られていないことなんですが、劣化しているプラグを使い続けているとコイルにかかる負担が大きくなります。
プラグは磨耗すると電極のギャップが広がります。ギャップが広がると、火花を起こすためには放電電圧を上げないといけない。
これがコイルの寿命を縮めます。
定期的にプラグを交換することが、イグニッションコイルの保護にもなります。
どうせ交換するのであれば10万キロもつプラグへの交換をお勧めします。
僕がプライベートで使っているのはデンソーのイリジウムタフです。
ネットなら1本1000円しないで買えますから。これで10万キロもつのでコストパフォーマンスは通常のプラグよりも高くなります。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。