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こちらは燃料フィルターです。何の車用かというと、マツダのスカイアクティブD用。CX-3に搭載されているスカイアクティブDのものです。
燃料フィルターの形状は、オイルフィルターと似ています。
フィルターによっては水抜きのドレンがついているタイプもあります。
話を戻して燃料フィルター。昔のガソリンエンジンは、燃料フィルターがエンジンルームにあるものが多かったです。交換はさほど難しくなく、10万キロに1度は交換が推奨されていました。
今のガソリンエンジンの燃料フィルターは、燃料ポンプと一体型になってるものが多く、簡単には交換ができなくなりました。
ディーゼルエンジンはどうか?今も昔もオイルフィルターと似た形状のものを使っています。最新のスカイアクティブDであってもこういうタイプです。
目次
ディーゼルエンジンの燃料フィルター交換時期はガソリンよりも短い
スカイアクティブDは燃料フィルターの交換を6万キロごととしています。1.5リットルのスカイアクティブDは2万キロごとに水抜きが必要とされています。
同年代のスカイアクティブG、つまりガソリンエンジンのほうは無交換となっています。
なんでディーゼルエンジンの燃料フィルターは、ガソリンエンジンよりも気にかけないといけないのか?
これは、エンジンの仕組みを考えるとわかりやすいです。ガソリンエンジンは燃料ポンプを使ってインジェクターから燃料を噴射。混合気にスパークプラグで火花を飛ばして爆発させています。
今のディーゼルエンジンはガソリンエンジンに似ていて、高圧のインジェクターを使って噴射をきめ細かく制御しています。しかし、スパークプラグは使っておらず圧縮圧力の力で軽油の自己着火温度まで高めて、自己着火を起こしています。
ディーゼルエンジンには点火系統がありません。
よくエンジン不調っていうと、ガソリンエンジンの場合はいろんなところが怪しくなります。点火系統もよく駄目になるし、燃料系統の場合もあります。ですがディーゼルエンジンは点火系統を持ってないので、燃料か空気か?というシンプルな問題になってくる。
つまりディーゼルエンジンにとって、燃料はガソリンよりも重要視されています。
燃料フィルターを交換しないとどうなるのか?
それでは、燃料フィルターをメーカー指定のタイミングで交換しないとどうなるのか?
これは体験談ですが、すべてが全てに当てはまるとは言えませんけど、なんともない車もあるのです。
実際に車検で土建屋さんのダンプカーやトラックなどが入庫してきても、ずいぶんと燃料フィルターを交換してない車なんてザラにあります。
それでも何ともなく使われてしまっていたりします。
しかし本来ならばきちんとしたタイミングで交換しないと、弊害が出ることがある。燃料フィルターを交換しないとどのような弊害が出るのかというと
「エンジン不調」
です。マツダのサイトにはこのように書いてあります。
ノンメンテナンスによるトラブル
フィルターが目詰まりすると、燃料の供給がスムーズにできなくなり、エンジン不調になります。
マツダHPより引用
これも体験したことがあるのですが、たまーにエンジンが息継ぎを起こしたりするんです。こういった症状が出ているときに燃料フィルターを交換すると治ることが多い。
ディーゼルエンジンの燃料には気を付けよう
最後に、ディーゼルエンジンの燃料について。
ディーゼルエンジンの軽油は、寒い日に凍ることがあります。例えば東京で売られている軽油を満タンに入れて、北海道で過ごしていたらマイナス20度越えの寒波にあった。
暖かいところで売られている軽油と寒いところで売られている軽油は若干仕様が違います。軽油は凍ります。これも体験したことがあります。
どうしてもエンジンがかからないというダンプカーを出張で修理に行ったら、クランキングはするけれどエンジンがかからない・・。もしやと思って燃料の噴射系統のパイプにお湯をかけて暖めたらエンジンがかかりました。
凍っていたんですね。気を付けないといけません。もし自分が住んでいるところよりも寒い地域に出かけるという時は、燃料を満タンにしないで現地で補給するようにしましょう。
そして燃料切れはNGです。ディーゼルって燃料切れを起こすと厄介です。ポンプを使って圧送しないと燃料ラインに空気が入り込んで、エンジンがかからなくなります。
かしこい車なら、燃料切れが起こってエアが噛みこむ前にエンジンを停止する制御をしてくれる車があります。こういう車は単純に軽油を補充すればエンジンがかかるようになる。それ以外はプライミングポンプなどであおってあげないとエンジンがかかりません。
最後に誤給油はエンジンが壊れかねます。ガソリン車に軽油を間違えて入れてしまうよりもディーゼル車にガソリンを入れてしまうほうがNGです。
軽油には潤滑性能があり、ガソリンを間違えて入れてしまうと燃料系統やインジェクター、ポンプなどが一気に壊れることがあるのです。
もし間違えてしまったら絶対にエンジンをかけないで、整備工場で処置してもらいましょう。クランキングをしてなければ燃料を抜きかえればb大丈夫です。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。