よくある話で、ATFやCVTフルードは純正を使わないと不具合が起こります。という事を耳にします。汎用品のフルードが販売されていますが、社外のフルードを使うと若干違和感が出たり、シフトフィーリングが変わったり。
エンジンオイルに関して言うと、社外部品が幅広く使われているのが当たり前になっています。ATやCVTは敏感なので注意が必要です。
今回はギヤオイルはギヤオイルでもデフオイルの話です。
結論を先に書くと、トヨタ車に日産純正のLSDオイルを入れたら体感できるほどフィーリングが変わったということです。
デフという部品があります。何をしているのかというと、左右のタイヤの回転差を吸収・調整しているものだと思ってください。(写真のデフはスバル車のものです)
例えば左カーブを曲がる時、左側のタイヤはカーブの内側。右側のタイヤはカーブの外側へ配置されていますよね?すると左右のタイヤで回転差が生じます。
この回転差を吸収している部品がデフと呼ばれています。
もちろんデフが作動しているときは、デフに熱が発生してきます。デフを潤滑させているのが一般的にエンジンオイルよりも粘度が高いギヤオイルを使っています。
デフには3種類あります。オープンデフ、トルセン・ビスカスLSD、機械式LSD。それぞれ機能がずいぶんと違ってきます。通常の車にはオープンデフが付いています。
純正のオプションパーツで多いのがトルセンやビスカスLSDです。さらに走りの性能を引きだすために機械式のLSDがアフターパーツで存在します。
オープンデフにはギヤオイルを使っていますが、デフの種類ではハイポイドギヤオイルを使わないといけなかったり、LSD専用オイルを使わないといけません。
今回は純正のLSDが入っていたトヨタ車です。そのトヨタ車に日産純正のLSDオイルを入れたら不具合が出たんです。
LSDの役割を簡単に説明すると、カーブを曲がる時内輪と外輪の回転差が生じるものを、あえて直結に近い状態にしています。
例えば左カーブで左のタイヤのほうが内側を走ってるので回転する距離は短くなりますよね?それをあえて右のタイヤと同じ回転数に制限するようにすることで、前へ飛び出そうとするトラクションをかけやすくします。
これがLSD装着の狙いです。LSDが効いてるときって、明らかに作動が体感できます。タイヤがズッているようなガコガコした違和感を感じるはずです。
しかし、これはLSDが効いている証拠です。
今回トヨタ車に日産純正のLSDオイルを入れたら、フィーリングが大きく変わってしまったという相談を受けました。
デフオイルを交換したらなったということで、本来のトヨタ純正LSDオイルに入れ替えたら直った。
最初に入れていた日産のLSDオイルも性能的には同等かそれ以上のものでした。ただオイルのキャラクターが違うのかデフの効き具合が、ダイレクトに感じられるようになってしまった。
オーナーはこんなにLSDの作動がダイレクトになったことはなく、故障したと思ったのかもしれません。
デフオイルもオープンデフでは、他社のギヤオイルをいれてもフィーリングに差はでませんが、LSDになるとオイル次第で随分とキャラクターが変わるねという話でした。
チューニングカーの場合機械式LSDが入ってるので、オイル選びは本当に重要になります。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。