夏と冬で暖機運転は同じでいい?冬にエンジン音が大きくなる理由と暖機の必要性は?

そろそろ外が寒くなって、冬が近づいてくるのを毎日実感しています。

朝の外気温が低い時に、車のエンジンを始動させようとすると夏では聞こえなかったような音が耳につくことがあります。

夏の始動一発目では聞こえない、冬のエンジン始動で発生するガラガラ・カタカタ音。これらの正体は何なのか?

暖機運転って今でも必要なのかを考えてみます。

暖機運転が必要だった昭和後期から平成初期の車

昔の車には、暖機運転というものが非常に重要でした。

というのも、今のように電子制御化されてなく、燃料装置はキャブレターを装備しています。さらに古くなると、キャブレターの混合気を手動で切り替えるチョークという機構がついていました。

ガソリンは外気温が低くなるとうまく気化できません。そんなとき、少し濃いめに燃料を噴射して調節します。

チョークというものは、燃料を濃く噴射するために空気の方を絞るレバーです。

昔の車にはチョークレバーが付いていて、エンジンの始動時に引っ張って使っていました。

暖機が終わったら逆にチョークレバーを戻さないとエンジンがふけなかった。キャブレターも進化して、チョーク機構をオート化したものがあります。

冷却水を引っ張って、ワックスを溶かして膨張させ、リンクを自動で動かすタイプだったり、バイメタルを利用したものだったり種類はいろいろです。

チョークこそ自動になりましたが、キャブ車はまだまだエンジンが不安定でした。

正常に走り出せるようにするため、暖機運転というものが必要でした。

インジェクションになってから、冷間時もすぐに走れるように

平成初期まではキャブが存在しましたが、それ以降はインジェクションが燃料噴射を行うようになりました。

このインジェクションが優秀で、適切な混合気を作り出してくれるようになり、ほぼ暖機運転がなくても真冬の始動一発目から走り出せるようになりました。

ではここからが本題。

今の車に暖機が必要か不要か?僕はある程度は暖機をした方が好ましいと思います。

理由は2つあります。

さすがにインジェクションであっても、真冬の一発目の始動後はファーストアイドルが高い状態になります。エンジンを早めに暖めようと制御しているんですが、この状態がまずは危険。

AT車だとファーストアイドルが高いと、クリープ現象がいつも以上に強くなります。

凍結している路面などではブレーキが間に合わず事故になる可能性が高いです。最低でもファーストアイドルが落ち着くまでは暖機をすること。

そして、もう一つは油圧が上がるまでの暖機。

おそらく感じている人も居ると思いますが、夏と冬とでは始動後のエンジン音が違います。夏は割と普通にアイドリング状態になりますが、冬はエンジンからの打音がひどく感じます。

エンジンによってはこれがよくわかります。ホンダのE07AやダイハツのKFなんか結構な打音を発しています。

これはどういうことなのかというと、エンジンって完全暖機後に正常なクリアランスになるように設計されています。

真冬のエンジンはクリアランスが広い状態にあります。そして、ロッカーアームを使ってないタイプのエンジンは、油圧でバルブクリアランスを調整しています。

寒いとオイルが硬すぎて油圧が正常に落ち着くまで、各部の動きが渋いイメージです。

これらを考慮すると、油圧が正常になるまでは暖機をしたほうがいいと思います。

現代のエンジンで暖機が必要なのは、ファーストアイドルが落ち着くまで。そしてエンジンの打音などが小さくなるまで。

この2点に気を付ければ、水温が上がってなくてもスタートして大丈夫です。あとは走りながら暖機をすればいい。

厳密にいうと昔のような暖機運転は必要なくなっていますが、エンジンと操作性の兼ね合いで若干の暖機は必要だと考えています。

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