ここのところ最近、代車の問い合わせがものすごく増えています。
僕がいる職場でも10台を超える代車を管理していますが、もう全然足りてないのが現状。例えば毎日車を使っている人の整備を引き受ける場合。
これはもう代車ありき。必須になります。車検だと、距離を走っていたり年式が古い場合だと2日、3日程度かかる可能性があります。
一般的な故障の整備に関してだと、原因がある程度わかりやすくて納期が明らかな場合は、ピンポイントで部品を用意しておいて修理。代車は1日ですみます。
困るのが板金です。事故をした時に板金が必要になる。1日でできる板金なんていうのはほとんどありません。それこそ注文しておいたバンパーの付け替えとか、曲がった部分を仮修正くらいですね。
板金の場合、通常の整備に比べて日数がどうしてもかかります。外板部分であっても板金をした後に塗装もしないといけない。ソリッドカラーならまだしも2コートパールなどになると塗装の行程も増えてきます。
先日もうちのお客さんじゃない人が、板金をしたいということですぐに代車が欲しいと相談にきたんです。代車が予約で埋まっているので、代車なしならお引き受けできるという旨を伝えたんですが、とりあえず他の車屋さんを当たってみるといって帰られました。
整備工場側からすると、整備代車っていうのは少ないほうがいい。代車にも当然維持費がかかってきます。車検代から任意保険代、自動車税など。普通にかかります。中には燃料を満タン返しにしてくれない人もいます。
代車がお金になるケースっていうのは、100−0の事故に対して工場代車を修理期間中に出した場合。1日あたり2000円くらいは保険会社からお金をもらえます。レンタカーを借りるよりは安いからね。
こんな理由があって、整備工場から代車というものが消えつつあるのです。
今の整備工場って、ディーラーもそうなんですけど相当先まで予約が埋まっています。ディーラーにリコールの予約をとったとしても、半月以上先になるといわれるのはザラです。そして、代車はないというのも当たり前。
さらには車もご自分で工場まで搬入してくださいというスタンスになっています。納車引き取りは生産性が全くありません。納車引き取りをやめた整備工場もかなり増えてきています。
これから先は代車も少しずつなくなっていくと想像できます。
じゃあ整備中の代車はどうするのか?というと、レンタカーを借りてくれ!という事になっちゃうんですよね。実際にそうしてる工場も結構見受けられます。
一番困るのが板金などの時、修理代車がないと言われる場合。これを回避するには任意保険に代車特約というオプションがあるので、それをつけておく事。板金修理中にレンタカーを無料で借りる事ができるんです。
今後は自分の身はある程度自分で守っていかないといけない時代になってきます。車業界もかなり先細りしてきている。僕はできる限り代車をコントロールして予定を組んで行っていますが、それでも予想外の事故が発生するとすぐに代車は破綻しますからね。
こういうことを統合して考えていくと、マイカーという時代も終わりが近づいてきているかもしれないよなって。
カーシェアリングを使えば車が故障したって関係ないですから。必要な時に車をシェアすればいい。ただ毎日使ってる人はやはりマイカーのほうが経済的にはお得。
車は本当に趣味の世界とシェアの世界。この二分割になってくるかもしれないですね。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。