タイトルにある通りの出来事が起きました。
毎回点検と車検に出していただいているお客さんの車、エンジンが不調になって止まってしまったということで入庫してきました。
電話では出先でエンジンが止まってしまったという。その後、再始動ができるようになったとのことで、とりあえず工場まで来ることができて代車に乗り換えてもらいました。
車はダイハツのムーヴです。
写真を撮り忘れたので、キャンバスになっています。
お客さんはかなりご立腹でした。調子良く走ってる車がいきなり不調になってエンジンが止まってしまったらびっくりしますよね。
まずは診断を。すると故障コードが入っており、P0303で3番シリンダー失火という記録が残っていました。
負荷をかけたテストをすると、やはりたまに失火しているのが確認取れました。
プラグが原因なのか、コイルが原因なのか?
プラグを2番と3番で入れ替えて、コイルを1番3番で入れ替えました。
失火信号が2番へ移ったらプラグ不良。1番へ移ったらコイル不良です。
結果はプラグ不良でした。
目次
5年経過の3万キロ走行車
このお客さんは、車検以外に必ず定期点検でも入庫してもらっています。
2回目の車検を終えた後で、走行距離はまだ3万キロほど。
お客さん曰く
「点検も車検も毎回出しているのに故障するなんておかしい!」
と、かなりご立腹の様子です。修理代も払いたくない!と言っております。
こういう突発的なトラブルって、非常にこちらとしても頭を抱えてしまいます。というのも、ダイハツ車のイリジウムプラグ交換時期は10万キロで設定されています。
前回点検してから半年ほど経過しています。当然その時も、プラグは脱着して点検はしてますが、その時目視で問題はなく失火もしていない。
交換時期も尚早のため、継続して使用していました。それが失火してしまったわけです。
保証はどうなのかというと2回目の車検を受けた時点で、特別保証も終わっています。5年または10万キロまでがエンジンの特別保証。
そもそも消耗部品であるプラグが保証にならないメーカーすらありました。(スズキです)
これらを考えての落とし所は、交換工賃はサービスとして部品代だけを払ってもらうというとなります。
お客さんはそれでも納得してもらえません。関係を悪くしたくないのですが、部品代は払ってもらわないと困ってしまいます。
部品寿命までに故障することだってある
ダイハツの場合は10万キロもつとされているプラグが失火することが、非常に多いです。
しかし3万キロ台で交換を勧めるかというと、それは過剰整備にもあたりかねないため点検時には提案をしませんでした。
ただ、こういうこともあるんです。壊れないものなんかないんです。
前にこういうお客さんがいました。エンジンのかかりが今日は少し悪かった。不安だから見てほしいと。
急に飛び込んできての依頼でしたが、とりあえず診断機を当てて何かコードが入ってるかを点検したり、症状の再現をしてみましたが至って良好。
プラグやバッテリーなどの状態をみてもこちらも特に問題なし。
オーナーは、遠距離まで通勤してるので、途中で止まったら困ると。でもお金をかけたくない。どうすればいいかと言ってました。
ちょっと返答に困りましたけど、途中で止まるのが嫌なら、各部品を早期交換していくしかないと。
少しでも心配の芽をつんでおくしかないわけです。プラグもコイルもある程度の距離が来たら交換。
今の国産車、昔に比べて壊れなくなってきたけど、壊れないわけじゃないんです。そして昔のドライバーさんと違って、今の人って逆に故障に慣れてないから一気に不安になる。
今回のように予測ができない故障だって起きることはあります。どんなに予防整備をしていても自走できなくなるようなトラブルが発生したっておかしくはない。
それを最小限におさめるために日々の点検が重要なんですよと。お客さんに説明しましたが、それでも怒りがおさまってなかった様子です。
頼むよダイハツーって心の中で叫びました。
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ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。