タイミングベルトがなくなってきたので、エンジンで高額な修理と言えばウォーターポンプの交換作業になってきました。
今日はそんなウォーターポンプの話です。
ウォーターポンプはいわずと知れた、クーラントをエンジンからラジエターへ循環させるための動力になっているポンプです。ベルトをかけて回している機械式から、電動のものまで種類があります。
機械式のポンプはベルトが切れたら、その時点でクーラントが循環しなくなるため、オーバーヒートにつながります。電動式も内部のモーターなどが壊れたら交換が必要。
続いては交換の基準です。
目次
ウォーターポンプ交換の基準は?
ウォーターポンプの交換基準はおもに3つ。
・クーラント漏れ
・異音
・ガタツキ
異音とガタツキは、ほぼイコールでもありますけど。
クーラントが漏れてきたら、修理しないとオーバーヒートにつながります。ただしこの判断がうまくできないと駄目です。
こちらはポンプではないですが、クーラントが漏れている跡です。
クーラントって、いろいろな成分が混じってるので、最終的に乾くとこのように粉っぽくなります。
でも本当にクーラント漏れ出すと、ジャバジャバと液体のまま漏れてきます。
この線引きが難しく、意外と問題ないのに交換に踏み切る整備士が多いです。それを見かねてメーカーではウォーターポンプの交換基準というもののマニュアルを出してきました。
漏れた跡があったとしても、水抜き穴に乾いたペーパーウエスを当てて湿ってなければ問題なしというものです。
高温になって水抜き穴から蒸発をすると、それがあたかも漏れていると誤診をしがちになります。
続いて異音ですけど、これは駄目です。異音は直ることはなく、最終的にはインペラが脱落するという条件につながります。
音が出てきたら早めの交換が必要です。
液体ガスケットの注意点
ポンプのガスケットについてです。
ウォーターポンプとエンジンの接合面には何かしらのガスケットが存在しています。
ゴム製のOリングだったり、ガスケット用紙だったり、メタルタイプだったり、液体ガスケットだったり。
まず、付属のガスケットが入っている場合、それ以外をつかうのはよろしくないということ。
よくガスケット用紙に液体ガスケットも塗るというのは駄目です。
そして、液体ガスケットの塗り方も注意が必要。
ウォーターポンプを見ると、いかにも液体ガスケットをぬってくださいよーと言わんばかりの溝が全周にわたって掘ってあります。
しかしあそこにダイレクトに液体ガスケットを塗るのはよろしくないのです。
実はそれより外側へ塗るのがベスト。というのも、ウォーターポンプをエンジンへ取り付けた場合、液体ガスケットが潰れます。外側へ塗ると見事溝の中にぴったりと納まるというわけです。
溝の中に塗りまくると、クーラントが循環する内部へまで液体ガスケットが入り込みます。すると、そのカスがメカニカルシールを傷つけて漏れなどの原因になる事があるのです。
ウォーターポンプの交換も奥が深いです。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。