クラッチは操作次第ですぐ滑る!最短60kmでOHもあれば、20万キロオーバーもつ事も!

先週、トラックのクラッチをOHしてきました。オーナーからそろそろクラッチが滑っているからOHしてくれという依頼です。

走行距離は16万キロオーバーではじめてのクラッチOHでした。取り外したディスクを点検すると、まだまだ使えなくもない状態です。

このまま上手に使えば20万キロ位もつんじゃないかなと。

僕が整備士になって、最短でクラッチを滑らせた人は今も忘れない走行距離60kmでした。逆に長い人は20万キロオーバーで、クラッチがすべる前にディスクのスプリングが破断してしまい、クラッチが切れなくなった為、しぶしぶのOH。

この違いは何なのか?少なくなってきたマニュアルのクラッチですが、長く使うコツを書いてみたいと思います。

クラッチペダルに足を乗せるのは駄目

頻繁にクラッチを滑らせてしまうお客さんがいて、OHが終わった後に同乗走行をしたことがあります。

クラッチミートはそんなに下手ではなく、車を見送る時にはエンジン回転も悪くない時にシフトをあげていくのに何でクラッチがすべるのか?

お客さんが運転する車の隣でそれは判明しました。

その人は、ギヤ操作をする時以外にもずっとクラッチペダルに足を乗せていたのです。こうなると、常にクラッチが離れるか離れないかの微妙な半クラ状態に陥ります。

クラッチが減る理由って、フライホイールとクラッチがすれることで引き起ります。クラッチペダルを離していると、フライホイールとクラッチは密着しています。

ペダルを踏むとレリーズがカバーのダイヤフラムを動かし、ディスクをフライホイールから切り離す。

ペダルに足を置いたままだと、実は常に半クラ状態に近いのでディスクがすり減っていたということです。

クラッチ操作を行わない時は、左足はきちんとフットレストへ置いておく事。

ワイヤータイプのクラッチはきちんと遊びを出すこと

軽自動車や小排気量の車は、ミッションのレリーズとクラッチペダルをワイヤーで繋げているものがあります。

このクラッチワイヤーを使っているタイプのものは、クラッチが減ってくるとワイヤーの遊びが変化してきます。

クラッチワイヤーの遊びがなくなると、クラッチに負担がかかります。適度に遊びを調節してあげないといけません。

軽自動車の新車などはクラッチワイヤーの遊びがすくない傾向にあります。ワイヤーの遊びが少ないと、クラッチの切れはよくなります。が、半クラに近い状態に近づくので、クラッチに負担がかかります。

逆にクラッチワイヤーの遊びが多いと、クラッチの切れが悪くなりミッションに負担がかかります。

メーカーはミッションの負担を考えて、クラッチワイヤーの遊びを少なめにセットしてきているんだと思います。

適度に遊びを出してあげないと、すぐにクラッチは滑ってしまいます。

クラッチペダルの重さは基本的にOHしないと治らない

クラッチの寿命に直接関係はありませんが、クラッチペダルが重たいという相談。新車時から重たいものは、そもそもが圧着力の高いクラッチなので仕方がありません。

ハイパワーの車は、そのパワーを伝達させるためにクラッチの圧着力が高いです。もちろんクラッチカバーのダイヤフラムもレートが高いので、普通に踏み込んだって重たく感じます。

クラッチマスターとレリーズシリンダーの大きさを変更でもしない限りは、改善できません。

対して、新車時は軽かったのに、使い込んでくると重たくなってきたという場合。これはレリーズシリンダーとミッションのシャフト部で摺動性が悪くなってきているためです。

直すにはミッションを降ろして、シャフトとレリーズの摺動部をきちんと清掃してクラッチグリスを塗布するなどをしないと治りません。

ツワモノはミッションに穴をあけて、摺動部へCRCなどを噴射できるようにしている人もいますが、下手したら悪影響になるのでやめたほうがいいです。

クラッチの寿命を延ばすのは、使い方次第!

結局のところ、クラッチっていう部品は操作する人によって寿命が大きく変わります。

うまい人なら20万キロオーバーでもOKです。下手な人なら100kmでも滑らせてしまいます。

ちなみに高回転で無理やりクラッチをつないだり切ったりすると、ジャダーを起こしやすくなります。

クラッチをつなごうとしたらペダルに微妙な振動が伝わってくる・・。これはクラッチディスクが変に擦れてしまっているからです。

直すにはクラッチを交換するか、あたり面を修正しないと駄目です。

今マニュアルに乗ってる人は少ないですが、クラッチは上手な人でもディスクが先に壊れることがあるので、OHは避けられません。20万キロ近くなったら一度OHすることをお勧めします。

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