もうほぼ完全に浸透したと思いますが、ごくまれにオイルの入れ間違いがあるようです。
もう一度、現代のディーゼルエンジンのオイル交換について考えてみます。
ちょうどハイエースのオイル交換をやってみました。
今新車で搭載されているディーゼルエンジンは、昔のように黒煙をもくもくと上げるエンジンではありません。
ち密に燃料噴射を制御しているクリーンディーゼルです。
高圧のインジェクターを備えて、大きな触媒をつかって排気ガスをクリーンにしています。車によっては尿素水を後処理として使ってるエンジンもあります。
これらクリーンディーゼルには、従来のディーゼル用エンジンオイルは使えません。従来のエンジンオイルはCFといったグレードでした。
クリーンディーゼルに使われるエンジンオイルはDL-1やDH-2になります。
何が違うのか?
DL-1はディーゼルライト、DH-2はディーゼルヘビーの略です。
共通しているのは、DPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)と呼ばれる触媒がついた車に対応しているオイルです。
普通のディーゼルオイルのCFとは何が違うのか?
DPFを詰まらせる原因となる灰分量が1%以内なのがDH-2。灰分量が0.6%以内なのがDL-1です。
普通のディーゼルオイルをクリーンディーゼルに使うと、灰分量の関係でDPFを詰まらせて駄目してしまうのです。
なので開発されたエンジンオイルがDL-1やDH-2になります。
ちなみに気を付けないといけないのは、DL-1とDH-2は成分が違うため、それぞれ両方どちらを使ってもいいわけじゃないんです。
DH-2の車両にDL-1を入れると起きる弊害は清浄性が劣る為、エンジン内部が汚れやすくなります。
逆にDL-1の車両にDH-2を入れると灰分量が多いので、DPFが詰まりやすくなる。
それぞれちゃんと守らないといけないのです。DH-2はトラックなど。DL-1は乗用車やハイエースクラスなどに使われています。
どういうことかというと、HIとLOレベルが同じようにあり、HIよりも上にxマークなどがついてました。
これが意味するのは、オイルの量を厳守して、もしここまで量が増えたら即交換せよ!という目印でした。
なんでオイルが増えるのかっていうと、クリーンディーゼルのコモンレールインジェクターによる燃料希釈です。
燃料がオイルに混じってしまうことで、オイルの潤滑性能が落ちてしまう。これを嫌って、マークのところまでオイル量が増えたら交換してくださいとなっているのです。
今はそこまで燃料希釈が進まないので、ゲージもHIとLOしかないものがほとんどですが。
クリーンディーゼルはオイル量を厳守という意味はここにあるのです。
そして、最近トラブルになってきてるのはこのコモンレールインジェクターの交換費用や、DPFの交換費用です。
どちらも相当高額で、30万円位に上ることもザラなんです。
しかし、不調が出るとエンジンが吹けなくなって、チェックランプが点灯します。
DPFも再生を途中でやめたりすると、どんどんと詰まってきてしまい、最終的にはエンジンが始動できなくなるのです。
なので、近年はクリーンディーゼル用に専用の燃料添加剤が出ており、それを定期的に入れることが望ましいとされています。
メーカー純正で出ていますので。ふそうもいすゞもでてます。
DPFの故障が出てくるのは早い車で10万キロ位からですね。なるべくちょい乗りを避けて、DPFクリーナーを使いながら走れば20万キロもつ車も当然あります。
クリーンディーゼルは走ってなんぼなので、長持ちさせるようにオイルと燃料には気を付けてください。
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ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。