車屋さんをやっていると、お客さんから緊急ヘルプの電話を受けることがあります。その多くは走行ができない!というもの。
JAFの出張要件のトップにも上がってくる走行できないトラブル。しかしこれは少しの装備である程度の回避をすることが可能です。
ここでは、近年出張要請が多い故障とその対策法などをお伝えします。
JAFの出張要件で必ずトップ3に上がってくるのがバッテリーあがりによる、エンジンがかからないというもの。
これはハイブリッドカーでも起こりえます。バッテリー上がりを回避する方法は主に3つ。
・早めのバッテリー交換を実施する
・ライトなどの消し忘れを徹底する
・ブースターやジャンプスターターを常備しておく
早めのバッテリー交換を実施するのは、まず最初にできることです。車検や点検に出すと、バッテリー診断を行ってくれます。その時にバッテリーが弱ってると言われたら、早めに交換することをお勧めします。
バッテリーテスターは内部に負荷をかけてテストしています。現在の外気温で普通にエンジンがかかっていたとしても、冬になるとそのバッテリーだとエンジンがかからなくなる可能性が高いです。
そして当然ですが、ルームライトやスモールなどの消し忘れに注意すること。いくら新品バッテリーでも、ずっとライトをつけてれば上がってしまいます。
最後に車の中にブースターケーブルやジャンプスターターを積んでおくという事。他人にお願いするのは嫌だなという人は、ジャンプスターターを買っておきましょう。
ジャンプスターターがあれば、例え近くに車がいなくてもエンジンを始動することが可能です。
出先でいきなりエンジンがかからない・・・JAFや整備工場に電話するのも嫌だなぁ・・・という人は、バッテリーを早めに交換することともしものためにジャンプスターターを備えておけば回避できます。
スペアタイヤが標準装着からなくなって、15年近くたちますかね?昔の車はほぼ搭載されていたスペアタイヤ。今の車はほぼ搭載されていません。
理由は何か?一番は環境問題ですね。スペアタイヤを一度も使わずに廃車を迎える車がかなり多いということ。もったいないのとCO2削減目的です。必要のない部品はいらないだろうということで、スペアタイヤが消えました。
その代わりにパンク修理キットが車に搭載されましたが、パンク修理キットが役に立ったケースってほとんどありません。本当に15年間あったとしても10件もなかったかな。
パンク修理キットこそ一度も使わずに廃車になってます。これ本当です。
もし新車をオーダーして、オプションパーツでスペアタイヤがあるのなら僕はお勧めします。理由は何故かというと、ドライバーさんがタイヤ交換できなくてもいいんです。救援に行く整備士が交換します。問題なのはそのサイズのタイヤがすぐにないということ。
つまりタイヤをバーストしてしまうと修理はできないし、スペアもなければレッカーして運ぶだけになってしまう。もしスペアがあればその場でタイヤだけつけかえて預かってこれるから。
僕はスペアタイヤ推進派です。ここ15年の出張要件をみるとタイヤのバーストが上位に食い込んできていますから。これを見れば使わないで廃棄されるスペアタイヤの問題よりも、救出に行くエネルギーコストのほうが高くなると思うのです。
新車オーダーでできればスペアタイヤをつけてほしいです。
スペアタイヤの続きになってきますが、実際にトラブルにあって冷静にロードサービスを手配した経験ってありますか?
いつも世話になっている整備工場の近くでトラブルが起きたら、整備士がすぐに飛んできてくれるかもしれません。ですが、遠方でトラブルが起きたら。
やはりロードサービスのお世話にならざるを得ない状況になってきます。万が一ロードサービスを使わないといけなくなった時のことを考えて、連絡先などをすぐに手配できるようにまとめておきましょう。
JAFに加入していればJAFのアプリから呼べます。スマホじゃなければJAFのロードサービスへ電話。
任意保険にもロードサービスが付帯しているのが殆どです。こちらもいつのまにかスマホアプリでGPSを利用して現場まで急行してくれる時代になっています。
加入している任意保険のアプリがあったら必ず入れておくことをお勧めします。
JAFの出張要件を見ると細かい内容がたくさんあります。
オーバーヒートとかタイヤのトラブル。オルタネーターの異常やエンジントラブルなど。これらのトラブルはもう日ごろの整備がモノを言うといっても過言ではありませんね。
特にある程度の消耗部品など、事前に交換をしたほうがいい部位に関しては早期交換です。急に壊れるセンサー類のトラブルは致し方ないとはいえ、ファンベルトが切れたとかオイルが入ってなくてエンジンが焼き付いたなんていうのは、ちゃんと点検や車検整備を受けていれば回避できます。
車って命を乗せて走る乗り物です。その整備代金をケチケチするということは、その結果が自分に跳ね返ってきてしまうので、やるべき整備はきちっとやっておくことが一番です。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。