今年も残すところ2ヶ月を切りました。朝晩は随分と冷え込むようになってきて、いよいよ本格的な冬を迎えようとしています。
人間には衣替えというものがありますが、車は冬が訪れる前になにかしておくことはないのだろうか?
冬が来る前にやっておきたいメンテナンスと用意しておきたいアイテムを徹底的に紹介します。
目次
冬が来る前にやっておきたいバッテリーの点検・交換
冬が来る前に、やっておきたいメンテナンスナンバー1といえばバッテリーの点検・交換です。自動車整備士をやっていると、お客さんから数多くの修理依頼をうけます。
その中で、冬が近づくと段違いに依頼が増えるのがバッテリー上がりによるエンジンがかからないというもの。
何故冬になるとバッテリー交換の依頼がふえるのか?これは簡単です。バッテリーって気温が低くなると比重が下がります。イメージしやすく例えると、例えば夏に100%の性能を保持していたバッテリーがあるとします。
冬になると気温が低くなり比重が下がります。100%のうち80%しか使えなくなるイメージです。よくスマホのバッテリーが冬になると異常に減るようになること体験したことありませんか?あれも同じです。
真冬の朝一発目のエンジン始動。これがくたびれたバッテリーではできなくなるので、3年経過したバッテリーは思い切って新品に交換しちゃうのがベストです。
おすすめはカオスです。お手頃な値段ながら、性能は抜群!
雪が降らないと侮らないで、スタッドレスを新しくしよう
近年異常気象で、そもそも雪が降らないような地域でもゲリラ的な豪雪がおこったりしています。
雪国であれば、毎年恒例のことなので12月に入るかはいらないか位で、スタッドレスタイヤに履き替えます。
雪が降らない地域の人はスタッドレスタイヤを持ってい人もいます。実際に僕は東京におじさんがいたりするんですが、おじさんはスタッドレスタイヤを持ってなかったりします。
しかし、今やいつどこで雪が降るかわかりません。ノーマルタイヤの状態で雪に遭遇してしまうと、降り始めこそなんとか走行できますが、積もってしまうと身動きがとれなくなります。スタッドレスタイヤを持ってる人は、タイヤの状態を点検して必要であれば新品に交換しましょう。
タイヤ代をケチってあと1mのところで止まれたら・・・。人生を狂わしかねない出来事だって考えられます。スタッドレスタイヤこそ車の中で、ケチらなければよかったアイテムナンバー1に上がると思うんです。
もしタイヤを持っていない人がいれば、今はネットでレンタルスタッドレスというサービスも出てきているので、そういうものを利用するのも手だと思います。
クーラント・ウォッシャーの比重は最低チェックしておこう
車はそれこそ40度以上の真夏であっても、氷点下15度であっても動くことを前提として開発されています。
しかしちょっと気を付けないといけないのは、それらはきちんとしたメンテナンスをしておかないといけないということ。
冬が来ると怖いのが凍結です。エンジンに使われてるもので凍結する可能性があって、まずいのがウォッシャー液とクーラントです。
ウォッシャー液は、減ってきたらドライバー自身で補充する人もいるでしょう。濃度を間違えると凍ります。本当に凍ります。冬に車検で預かった車で、受け入れ検査の時にウォッシャーを点検。出ないクルマが多いんです。
原因は凍結。ウォッシャーって一度凍っちゃうとなかなか大変。日中になっても真冬だと外気温があまり上がらないので、ウォッシャータンクにお湯を注いだり、ウォッシャータンクをめがけてヒーターを当てたりして検査に望むこともあります。
雪が降ったらフロントガラスが汚れやすくなります。ウォッシャー液はちゃんとした濃度で補充すること。
これと同じことが言えるのがクーラントです。今はスーパークーラントがほとんどなので、ほぼメンテナンスフリーと勘違いしている人もいます。しかし、スーパークーラントも搭載初期の車はとっくに交換時期を突破しています。
ちゃんとした濃度で交換をしておかないと、冷却系統が錆び付いてしまうほか、やはりエンジン内部で凍結するおそれもあります。
エンジン内でクーラントが凍結しちゃうと、ヘタしたらシリンダーブロックを破損させるので、こちらもちゃんとした濃度を守っておくようにしてください。
エンジンオイルは低粘度のオイルへ交換を
オイル交換って、理想は半年に1回以上行うこと。シビアコンディションならもっと短いスパンで交換すべきです。これは時間軸で管理した場合。
当然走行距離で5000kmや2500kmなどメーカー指定の距離を守る必要もあります。そんなエンジンオイルですが、冬に交換をする時期が訪れたら粘度を下げてみてもいいと思います。
当然前提となるのは、メーカーの指定粘度の範囲内で行うこと。例を上げると0W-20と5W-30が使用OKという粘度であれば、柔らかい0W-20を入れるということです。
冬になるとオイルの粘度が抵抗になってきます。暑い夏には高い粘度のオイルを入れてしっかりと油膜をキープする。冬がきたら柔らかいオイルを入れてエンジンの始動性を上げるといったテクニックを実践する。
これだけで真冬のコールドスタートに対するバッテリーの負担が低減できます。
以上が車の衣替えメンテナンスです。続いて冬が来る前に用意しておくと便利なグッズの紹介
何はともあれジャンプスターターを買っておこう!
もう冬じゃなくても車に1つ積んでおくべきなのがジャンプスターターです。今まではバッテリーが上がってしまい、エンジンがかけられない事態に遭遇したらブースターケーブルで誰かに電気を分けてもらうしかありませんでした。
しかし、ここ最近は高性能な小型ジャンプスターターが販売されるようになって、自分でもバッテリーがあがったとしてもエンジンをかけられるのです。
僕も常備して車に積んでいます。
オススメなのはArteckのジャンプスターターです。これ1台でいろんな車のエンジンを始動してきましたが、本当によく使えるアイテムです。
あれば絶対に後悔しないアイテムです。
フロントガラスの解氷スプレーは手放せない
去年から愛用しています。フロントガラスの解氷スプレー。冬の朝一で出かけようとするとフロントガラスが凍っています。
アイススクレーパーでガリガリ削ってもいいんですけど、ガラスに傷がつきそうだったり面倒だったり・・。エンジンを暖機しようとしたって、相当な時間暖機をしないと温風になりません。
何かいいものはないかなと探してゲットしたのが解氷スプレーです。これ、去年から使ってますが効果絶大。
使い方はガラスに吹きかけるだけです。フロントガラスなら3~4回程度シュッシュとやれば溶けちゃう。1本買っておけば1シーズンは使えます。
朝と夜車を暖機してガラスを溶かすのもいいですけど、とりあえずガラスは解氷して走りながら暖機する方がよっぽどエコです。
1本買っておけば間違いなしです。
スノーワイパーとシートヒーターなどもおすすめ
もし積雪地方に住んでいるのなら、ワイパーをスノーブレードに交換すること。これは儀式みたいなものです。
通常のワイパーだと関節部分が凍りついてあっという間にワイパーのブレードが凍ってしまう。
ワイパーブレードが凍っちゃうと、絶望的に拭きムラがでて見えなくなっちゃうんです。これを解消するのがスノーブレードです。関節部分は袋状になっていて凍らないように保護されています。
さらにはゴム部分が厚いので雪をさっさとかいてくれるスグレモノ。ぼくは車を買い換える度に必ずスノーブレードを買うようになりました。
あるとないとでは雲泥の差になります。
自分にあったサイズのものを買ってください。
そして、今年買ってみた商品です。まだ手元に届いていないので、紹介は後ほどになるんですが、シートヒーターです。
ネットで後付けのシートヒーターが安価で売られているのがわかって買ってみました。電源はシガーライターからさして、2分くらいすれば暖かくなる。
エンジンを温めるのって長い時間がかかりますが、こういった電熱のシートヒーターはすぐに温かくなります。また改めて紹介したいと思います。当然純正シートにシートヒーターが付いてるよって人はいらないですけどね。
人間誰しも寒いのは苦手です。車もそれは同じ。メカニカルなところではサーモスタットの点検交換といったものも載せたかったのですが、あえてDIYで簡単に点検できる部位を紹介してみました。
11月頃から少しずつ車の衣替えをしていくと、冬本番になっても慌てなくて済みます。実践してみてください。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。