皆さんは、車の中で一番重要な部分っていうと何を思い浮かべますか?
車にはいろいろな構成部品があります。
エンジンですか?エンジンは車の中で一番高価な部品といえます。
日産GTーRなど、エンジンの価格が320万円で、車両価格の半分近いウエイトを占めています。
リビルトの設定もないので、GT-Rでエンジンブローしたら新品を購入して載せ換え?
と、いろいろと懸念するところがあると思いますが、車の中で一番重要な部分はエンジンではありません。
ブレーキです
これを聞いて妙に納得しませんか?
車は1トンを越える車体が殆どで、その1トンを超える鉄の塊が時速100km/hを簡単に出せる性能を持っています。
1トンの塊が100km/hで走っていてブレーキが効かなかったら・・・・・
どう思いますか?
自動車修理工場に就職して、先輩に投げかけられた質問です。
今では本当にその意味が良く分かります。
エンジンが動かなくたって人命には影響はあまりない。
(どこか厳しい自然環境でかからなくなった場合は別ですが)
でもブレーキというものは、人命に直結する車を構成する部品において何よりも一番大切な部分。
車を構成する部分で一番重要なのはブレーキです。
ブレーキを分解して整備するのには、認証工場や指定工場でないと営利目的では駄目。
自動車整備士が必ず中間検査を行える状態でないといかんのです。
MHOは今でもブレーキを整備するのには慎重ですよ。
ブレーキパッドはさほど緊張しませんが、ブレーキのOHやホースを交換するとき。
これはフルード漏れを誘発するので必ず何回もチェックします。
もしブレーキング時にキーといった金属音が聞こえたら何はともあれブレーキパットの残量を調べてください。
減っていたら、ブレーキパッドを交換しましょう。
ブレーキパットの交換はとても簡単
まずはブレーキフルードのタンクのフルードを少し
スポイトでちゅーっと吸います。
そしてブレーキキャリパーの下のネジを外します。
このように外側の14mmを外すんですが、
内側のナットを押さえながら回します。
ネジを外したらキャリパーを持上げましょう。
持ち上がらないときはマイナスドライバーでこじってやればすぐに持ち上がります。
うおっピンボケ。
でもキャリパーが持ち上がっているのがわかりますか?
で、ピストンを戻します。
これだけピストンが中に出てきています。
これをプライヤーなどで噛んでぐぐぐと押し戻します。
ウォーターポンププライヤーでピストンを戻せます。
このときにフルードがにじみ出てきたらキャリパーをOHしないと駄目です。
戻ったピストン
そしてパットを外します。
これもマイナスドライバーでこじって外します。
外したら新品と形をチェック。
同じなら鳴き止めのシムを新品へ付け替えます。
シムを付け替えたらパットのキャリパーと触れる部分に鳴き止めのグリスを塗布します。
スプレータイプのブレーキプロテクターです。
こんな感じですね。
あとは組み付けます。
片側ずつ順番に。
あとはキャリパーをもどしてネジ止めして終了。
終わったらブレーキフルードの量をチェックしてください。
足りない場合は足してください。
キャリパーのピストンを戻したので、2,3回ブレーキペダルを踏むと、ペダルがおくまで入ってしまいますが、何度かふみふみしていると規定の位置になります。
パットを交換したらブレーキのききが甘くなりますので、当たりが付くまで慎重に運転しましょう。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。