Categories: 電装系

車のエアコンが効かない?症状別の原因と修理費用を画像付きで解説!

5月を過ぎてくると、日中でも30度近い日がくることもある。車内が暑いなぁ・・・。エアコンを入れるかな。

スイッチオン・・・・・・

・・・・・・全然涼しくならない・・・。車のエアコンが効かない?壊れてるんじゃないの!?

車検などの修理代をケチってくる人であっても、車のエアコンが壊れちゃうと修理する人がほとんど。もう車にとってなくてはならいないものになった車のエアコン。

いざっていう時に効かない・・。これはもう灼熱地獄です。車のエアコンが効かない原因は様々な要素が絡み合ってきます。本当にエアコンが効かないのか?それはエアコンの問題なのか?

症状別の修理費用と一緒に原因を探っていきましょう。

車のエアコンの 基本的な使い方

まず、誰かに教えてもらったわけでもないけどなんとなく使っている車のエアコン。基本的な使い方をおさらいします。と、いうのもエアコンが効かないということで車を預かると、問題なくエアコンが効いていてオーナーの使い方がおかしかった。

こんな笑えない出来事だってよくある話なんです。これは本当の話。

まずは基本的なこと。エアコンの使用ポイントは以下です。

・温度調整は冷風モードになってること

・エアコンスイッチはONになってること

・内気、外気の切り替えは内気循環モードであること

これがエコアンを使う上でまずは守るべき3つ。

温度調整は冷風モードになってるか?ものすごく暑い日にエアコンの効きが弱い!と訴えてくるオーナーに多いのが温度調整。

エアコンの仕組みっていうのは、外気温をどれだけ下げられるかにかかってきます。当然外気温度が暑ければ暑いほど、効きが弱いと感じるのはしょうがない。そんな人に限って温度が25度固定とかになっていたりする。

オートエアコンで25度に設定すると、エアコンはその温度を保持しようと働きます。つまり、温度センサの温度が25度以上を検知していれば、エアコンに強弱を与えて冷やします。逆に25度を下回ると、温めるのです。

純粋に冷たい風が欲しい!という使い方を望んでいるのなら設定温度を下げること。

そしてエアコンスイッチがオンになっていない。車によってはこのエアコンスイッチが光ったりしてオーナーにエアコンがオンですよと知らせるようになっています。が、稀に球切れを起こしているスイッチもある。

そうすると、実はエアコンをオンにしているようであってもオンになっていない。ちょっと年式の古い車に多い症状。

最後に内気循環モード。

これは多いですよ。車には内気循環モードと外気導入モードがあります。これは何かと言うと、読んで字のごとくです。内気循環モードというのは、車の内気をくるくると循環させています。外気導入というと、外からの空気を車内に取り込んでいる。

エアコンは空気を冷やすためのものです。暑い外気を導入しながら冷やし続けるには当然効きが弱くなります。エアコンを使う時は内気循環モードにしないと意味がない。

このモード切り替えがおかしい人は実はたくさんいるのです。

それではエアコンが効かない原因と費用を種別に見ていきましょう。

エアコンコンプレッサは作動してるか?

エアコンコンプレッサという言葉を効いたことはありますか?

コンプレッサというのは、車のエアコンで心臓部に当たる部品です。これが作動しているかどうかをまずは判断します。

とりあえず、エアコンスイッチをオンにして風を出します。

外が暑い日であれば

「カチッ」

という音がした後

「ウィーン」

という音がします。

「カチッ」という音はコンプレッサのマグネットクラッチが入った状態。つまりコンプレッサが作動する最初の音です。その後の「ウィーン」という電子音はコンプレッサが作動している音です。

この

「カチッ」「ウィーン」の音がするかどうか?そして、コンプレッサが作動している間はエンジンの力が若干弱く感じられます。これはエンジンの出力をエアコンコンプレッサを作動させるために若干取られているからです。

エアコンを入れると加速が悪くなる・燃費が悪くなるというのはここに原因があります。

第一段階として、エアコンコンプレッサが作動しているかどうか?ここがポイントです。コンプレッサが作動しないとなると、他に原因が潜んでいるか、もしくはコンプレッサ自体が壊れているということです。

単純にコンプレッサのヒューズが切れている・リレーが壊れている。さらには配線が切れている・外れている。エアコンコンプレッサに電源がはいらない外部的な原因も考えられます。

エアコンコンプレッサが壊れてしまうと、多いのは再生リビルト品と交換する作業。

コンプレッサの修理費用はおおよそ5万円〜10万円オーバーとなります。部品自体が高額です。

エアコンベルトはついてるか?

エアコンコンプレッサを駆動する多くはエアコンベルトでコンプレッサを回しています。プリウスのように電動エアコンの場合もありますが、国産車の8割はエアコンベルトを使ってエンジンの動力を伝えてコンプレッサを回しています。

物理的にエアコンベルトが切れていないか?

たまにあるんです。エアコンが効かないということで、見ていくとコンプレッサが回っていない。エンジンルームを開けると、エアコンベルトが切れてなくなっている。

エアコンベルトの交換だけで済む場合の修理費用はおおよそ7000円〜15000円程度です。

ただ、なぜエアコンベルトが切れているのか?もしかしたらエアコンのコンプレッサが壊れてロックしてる可能性もあります。そうなると結果コンプレッサも交換しないといけなくなってしまいます。

エアコンスイッチは本当にONになってるのか?

これも序盤で話を少ししましたが、エアコンのスイッチが本当にオンになってるのか?

画像のスイッチはONになるとランプが点灯しているのがわかります。前述した通り、このランプって古い車になると普通の電球を使ってるのです。つまり切れる可能性がある。自分ではONにしているつもりでも、OFFなのかもしれない。

これもたまにある症状です。スイッチ自体の接点が壊れていなければエアコンは効くはず。電球が切れて、エアコンがオンになってるのかオフになってるのか判別がつかないときは、

スイッチをいじって

「カチッ」

「ウィーン」

というエアコンコンプレッサの作動音を聞き分けましょう。スイッチを押してもすぐにコンプレッサはウィーンとは動かないので、まずは「カチッ」という音がするかどうかを聞き取ってください。

スイッチ自体が壊れてる場合、修理費用は7000円〜15000円程度かかります。

風は出ているか?

これもたまに見かけます。エアコンが効かないというので、車を確認したら風が出ないんです。確かにエアコンは効かないな・・こりゃ・・。

エアコンの風っていうのはヒーターの風と同じで、ブロワモーターというモーターが回ることで出しています。このブロワモーターが壊れてるだけでエアコンが壊れている訳ではなかったという事例。

こちらがブロワモーターです。

このモーターが壊れて風が出ない。エアコンが効かないという事例。

ブロワモーターはヒーターケースにねじ止め等で取り付けられています。交換は簡単にできる車もあれば、なんとインパネを全部剥がさないと交換できない車種もあるのです。

部品代は1万弱くらいが相場ですが、工賃は4000円〜それこそ4万円近いものもあります。

 

これは日産のノートという車。この車、インパネを外さないとブロワモーターを交換できなーい。工賃がとてもかかります。ブロワモーターを交換するときは抵抗のレジスタも同時交換するようにしましょう。レジスタがダメになってると、新品のモーターをつけてもまたすぐに壊れます。

ガスが少ない・または入っていない?

ここから先はようやくエアコンのガスの話。車のエアコンの効きが悪いからガソリンスタンドでガスを補充してもらってこよう!

これ、定番に言われてることですが、やめてください。

まず第一にエアコンシステムに封入されているガスの量は決められています。いたずらに過充填されると逆に壊れます。ガスを入れてもいいと判断するのは、

・プロから見てエアコンの効きが弱く、その原因がガスが少ないため

・漏れているのをわかって毎年シーズンに補充してしぶしぶ使ってる

こんな場合です。

ガスを入れると判断するのはきちんと知識を持った人間じゃないとダメ。最寄りのスタンドで入れてもらうのもいいんですが、その人はカーエアコンの知識をきちんと持っているかどうかがとても怖い。

うちの工場は、エアコンの重整備に関しては専門の電装屋さんに直してもらうこともあるんですが、彼らがいうには

整備士でもいたずらにガスを入れないでくれ!

ということ。一番確実なガス補充は一度全部ガスを抜いて真空引きをしたのちに規定量を最充填する方法。これに尽きるわけです。

ガスを入れすぎると、高圧になりすぎてコンプレッサをオフにする制御が入ります。まだ車側から言うと冷やして欲しいけれど、コンプレッサやエアコンシステムにガスを入れすぎたために負担がかかってセーフティ制御が入る。

こういう症状もよくあります。話を聞くと、ガソリンスタンドでガスを入れてもらった・・。いたずらにガスを補充してはいけません。

どうしてもガスを入れたければ最初に車屋さんに相談してからにしましょう。

ガスの補充だけなら、修理代は1万円程度で充填してもらえます。

エアコンガス漏れの修理

続いてはエアコンのガス漏れ修理です。ガス漏れの場合まずはどこから漏れているかを確認しないといけない。

見た目でここからガスが漏れているのがわかる!という場合もたまにあります。エアコンガスにはコンプレッサオイルが封入されていて、ガス漏れを起こしたパイプは黒くオイルがじみたようになっているからです。

それでも判別がつかないときなどは、ガス漏れ検知器をつかいます。微量なガス漏れで検知器が反応しない場合、蛍光剤をエアコンラインにガスと一緒に封入します。

通常のエアコンガスです。

こちらが蛍光剤。エアコンラインに封入してしばらくの間使ってもらう。エアコンが再度効かなくなったら漏れたところが蛍光剤で光って発見しやすくなるという仕組みです。

それと気をつけないといけないのが、ハイブリッドカーのエアコンガス。これは、決められた絶縁ガスをつかなわいといけません。さすがにハイブリッドカーのエアコンガス補充を安易にやろうとするショップはないと思いますけど・・。

エアコンガスが漏れてくる部分で多いのがパイプのつなぎ目。リヤにもエアコンを使ってる高級車の場合、エアコンパイプが車外にも飛び出てまた室内に入ってきます。この車外にでてる部分などで腐食して穴が開いてしまう。

物理的にパイプを交換しないといけません。

ミニバンなどで多いリヤヒーター・エアコン付きのパイプ交換をこの前やりましたが、その費用はなんと10万円かかりました。

すぐに交換ができるパイプであれば2万円ちょっとで修理可能。ですが長いパイプだったり交換が困難なパイプになると費用は10万円にものぼります。

エバポレーターからのガス漏れ

エアコンを構成するパーツで、室内にエアバポレーターという部品があります。この部品もガス漏れを起こすことが多い。

エバポレーターは、どうしても湿気を含んでくるためカビが付着してきます。そこから錆びて穴が空いちゃうのです。

どうでしょう?エバポレーターです。びっしりとカビがくっついてしまっています。これが車のエアコンで酸っぱいカビ臭い匂いを発生する元凶です。

エバポレーターからガスが漏れてきたら、やはり交換するしかありません。

その費用は4万円〜10万円程度かかります。交換するのにインパネを全部外さないといけない場合が多いため、部品代もさることながら工賃も高い。

いかがでしたか?症状別車のエアコンが効かない原因と修理費用でした。

エアコンのカビ臭い匂いをどうやって消す?

補足ですが、車のエアコンを入れるとカビ臭い匂いがする・・。なんとか消したいと悩んでいる人は多いでしょう。

カビ臭い匂いの原因は前述した通り。

室内エバポレーターのカビです。

完全にカビ臭い匂いをとりたいとなるとエバポレーター自体を交換するしかないでしょう。そこまでお金をかけないで、少しでも匂いをとりたい・予防したいという場合

エアコンフィルターをこまめに交換すること。

今の車にはエアコンフィルターがついている車がほとんどです。これをこまめに交換して、埃をエバポレーターまで運ばせない。

埃が堆積するとそこからカビが発生するからです。

エアコンフィルターは車種別で寸法が違うので、車にあった部品を選ぶこと。

以前僕もいろいろと試してみましたが、このドクターデオはある程度の期間は効きました。

エアコンを入れると酸っぱい臭いがする車の臭いを取る方法はこれだ!

1シーズンは匂いが消えてくれました。翌シーズン前には再発してしまったけど。それでも夏のエアコンを使う時期だけでも匂いを抑えたい!という人は試してください。

エアコンを長持ちさせるには冬でも使おう!

補足その2です。

エアコンを長持ちさせたい。車のエアコンは壊れないでその生涯をおえる車もあります。もしエアコンシステムを長持ちさせたい!ということであればどこに気をつけるべきか?

それは冬でもエアコンを積極的に使うということです。

エアコンのガスの中にはコンプレッサオイルが封入されています。ここがポイント。つまり、エアコンを使うことでガスがコンプレッサやラインを動き潤滑しているのです。夏しかエアコンを使わないという場合、約1年間はコンプレッサはまったく油膜がない状態と考えていいでしょう。

これを年中エアコンを使うことで、常にコンプレッサにオイルを与えて潤わせる。結果的に長持ちに繋がるわけです。車って使ってる方が調子がいいんです。使わない部分をたまーに使うと壊れたりする。

長文で書きましたが、エアコンシーズンのトラブル解消について参考になれば幸いです。

Recent Posts