カプチーノ
EA11R
6年式
本日は、ようやく実践できた修理をしました。
それは何かというと、クランクシャフトプーリーの交換。
カプチーノのクランクプーリーにはねじれ防止のトーショナルダンパがついています。
これが経年劣化で破損して、走行中にプーリーの外枠が外れて飛んで行ってしまうという故障が
たまに見かけます。それを防止するために、クランクプーリーを交換することにしました。
トーショナルダンパはエアコンスイッチオンなどで、コンプレッサーが急につながったりするときに
クランクのねじれ防止という意味合いを込めて備えついているダンパーです。
このダンパーが10年10万キロを経たないケースでも切れてしまって大惨事を引き起こしたりします。
トーショナルダンパが破損したら、走行中の高回転でいきなりプーリーの外枠が外れるということで、
タイミングベルトカバーを破損、飛んでいったプーリーがエンジンルーム内を暴れて、いろんなところを傷つけてしまう。
もしかしたらラジエターホースなどにもあたって穴を開けるかもしれない。
とにかく大惨事につながりかねません。
今回ボクが用意したプーリーは、キャラのもの。
マツダAZ-1のスズキバージョン。このF6Aに搭載されているクランクプーリーにはトーショナルダンパがついていない
プーリーになります。これはカプチーノにボルトオンなので、こちらを採用しました。
ボクは会社からトルクレンチとクランクプーリーの周り止めの工具を借りてきたので
車上で簡単に交換ができました。
とりあえず、エアコンの配管と冷却水のパイプをとめているエンジンルームの横に伸びているバーを
12mmのネジ4本をはずします。
バーをはずす。というか、レンチがクランクのネジにかけられないので
クリアランスをとるためにずらすだけ。
エアコンコンプレッサーとオルタネーターを緩みの方向へ移動させます。
はずしたベルト。再利用する場合は切っちゃ駄目。
ボクは新品を用意してあったので、オルタネーターベルトは切ってはずした。
クランクプーリーの周り止めは、ミッションにサービスホールがあります。
そこでリングギヤをマイナスドライバーで固定してから緩める。
カプチーノのクランクのネジはさほどのトルクでしまっていないので
セルモーターの力などでも緩められますよ。
ご覧のとおり、トーショナルダンパには結構な亀裂が走っています。
クランクを固定してトルクレンチで締め付けます。
F6Aのカプチーノのクランクプーリーの締め付けトルクは整備解説書によると
800~900kg・cm
となっています。僕はまぁ自己責任においてホイールナット用のトルクレンチを借りてきたので
100kg・cmの力で締め付けました。あくまで自己責任ね。皆さんは規定トルクで締めてくださいね。
ちなみにF6Aですからね。K6Aは資料がないのでお答えできませーん。
あとはベルトをつけて、張りを与えて、バーを取り付けて作業完了。
ちなみにカプチーノのベルトサイズはF6Aですが、
オルタネーターは1235
エアコンは1300というサイズです。
両方1000円以下くらいで買えると思います。
交換した部品。クランクプーリーさん、15年間10万キロお疲れ様でした。
ちなみに、クランクの周り止めの工具がない場合は、
カプチーノの車体のしたにもぐってみると、
ミッションの部分に小さな穴が開いています。そこを覗くと、リングギヤが見えます。
このミッションの穴にマイナスドライバーを突っ込んで、リングギヤを固定してクランクのまわり止めができます。
そうなると、ジャッキアップしてアンダーカバーをはずして下から作業を行うようになりますので
きちんとリジッドラックで車体を上げて安全に作業をするようにしてください。
ちなみにこのキャラのクランクプーリーはカプチーノの純正のプーリーよりも安いんですよ。
たしかカプチーノが当時6000円くらいで、キャラのものが3000円くらいだった。
今は恐らくもっと値段が上がっていると思いますが、値段もリーズナブルです。
トーショナルダンパが痛む原因は、やはりエアコンを多用するということになるとおもいます。
コンプレッサーが入った瞬間が一番抵抗になるはずなので、エアコンを多用している人はぜひ交換してください。
F6Aはタイミングベルトを交換するときにプーリーも交換しましょう。
K6Aもエブリはトーショナルダンパを使っていたので、おそらく
K6Aのカプチーノもトーショナルダンパを使っていると思われますので
10年10万キロ前に交換をお勧めします。
以上カプチーノのクランクシャフトプーリー交換でした。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。
コメント
MHOさん、はじめまして。
かなり以前より参考にさせて頂いております。
EA11RのF6Aカプチーノのオイル漏れ修理をしていての質問です。
カムカバーを外すのに、整備書通りタイミングベルトにマークを入れ、
カムプーリー等々を外し、カムカバーを外しパッキン類を交換しました。
そしていざ、カムカバーを乗せようとすると、カムが自然と回転しました。
その回転した状態でなければ、しっくりとヘッドには接しないので、
その状態で組み上げましたが、不安でなりません。
現在その状況で、作業をストップしております。
このまま、プーリー等々を付け、タイミングベルトを組んで行っても大丈夫でしょうか?
何か良いアドバイスがあれば、宜しくお願いします。
カム山がロッカーアームとどうしても接するところが出てくるので、そういう現象が起こります。
ラッシュアジャスターの上にきちんとロッカーアームが接していれば大丈夫だと思います。ただ、最初エンジンをかけると油圧が上がってくるまではエンジンが不調でびっくりすることがあります。
返信ありがとうございます。
クランクプーリー側を進めて合わせる方法も考えましたが、
プラグを外してカムプーリーを定位置に戻す方法を選択しました。
初爆がなかなか来ず焦りましたが、無事にエンジンかかりました‼
しかし走行すると以前より、エンジン下部よりエンジンオイルだだ漏れです。
タイミングベルトカバーを付けなかったので、レベルゲージの差し込み角度が悪かったのかと思います。交換したクランクプーリーのシールではありませんようにと願って、また明日チャレンジです。
頑張ってください!