エンジン

メーカー指定のオイル交換では不完全!29万kmオーバーのエンジン内部

メーカー指定のエンジンオイル交換時期を守っていれば、問題ない。

よく言われていることですが、それについて問題提起を投げかけている動画を発見しましたので紹介します。

車はトヨタのカムリです。日本ではオイル交換のインターバルはというと、1年または15000kmです。

海外ではメーカー指定のオイル交換は1万マイル(16000km)となっているようで、大きな差はありません。日本は国土が狭いので、海外の15000kmと日本での15000kmはそもそもが違います。

海外、特にアメリカは国土が広いため、一旦エンジンをかけるとその後の連続走行が長く続けられ、エンジンにとっては理想の環境です。

このカムリもメーカー指定のオイル交換距離を守ってきたわけですが、オイル消費が激しいという事でピットインしたようです。

約1600km走行(1000マイル)でオイルを2~3L消費してしまうようになった為、修理することに。

アメリカでは日本に比べて走行距離が長いです。

ちなみに日本とアメリカでは同じトヨタ車でも保証が違います。

最近話題の電気自動車のバッテリーはどうか?

日本・・・8年、16万キロ

アメリカ・・・10年、24万キロ

保証だけで見ても、日本よりアメリカの方が手厚く長くなっています。

問題の1600kmで2~3Lのオイルを消費するカムリのエンジン、分解していくとわかったのは、メーカー指定のオイル交換時期では不完全であったということ。

オイルが消費する原因はピストンリング。そしてシリンダーにありました。

シリンダーの中を覗いてみると・・・

縦に大きな傷が入っています。ピストンリングやピストンをすり抜けて、ここからオイルが燃焼室へ入り込み、オイル消費が激しい状態になっていたと。

いわゆるオイル上がりですね。

原因はオイルリングの焼き付き

これはオイル管理が不備で起きる、ピストンリングのスティック現象です。

スティック現象っていうのは、カーボンやスラッジなどが堆積したり、焼き付いたりして本来動くはずのピストンリングが固着してしまうこと。

すると、シリンダーに傷が入ってしまいます。

ピストンリングにスティック現象が起きるのは、オイル管理が原因です。

もっと早いタイミングでオイルを交換していれば、こうはならなかったということですね。

ではどの位のタイミングで交換すればよかったのかというと、担当しているメカニックによるとメーカー指定の半分くらいのインターバルだったら問題なかったと。

これは、日本で整備をしている現場からいわせると全く同意見です。

実際にお客さんの車両を預かった時、僕らはメーカー指定のオイル交換タイミングは参考にしているだけです。

整備の現場では3000~5000kmで交換を推奨しいています。もちろん時間軸では1年以内の交換です。

メーカー指定交換距離を守っているのは、リース車くらいですね。リース車は最低限の整備でリースアップまで使えればいいので。

ギリギリの整備で車を使い切ることが目的です。車を大切にしたいのなら、もっと早いタイミングで手を入れてあげないと駄目です。

メーカー指定交換距離は保証期間内にトラブルを起こさないライン?

ちょっと意地悪な言い方になりますが、メーカーの指定交換距離っていうのは、逆にいえば保証期間を乗り切れるだけと考えたほうがいいのかもしれません。

使い込んでくると、エンジン内部にスラッジも堆積してくるし、カーボンもたまる。

すると空気が通る通路もふさがってくるし、油路やストレーナーも詰まってきます。

メーカーの保証期間も過ぎて長く車をトラブルフリーで使いたいのなら、それよりも前で各油種は交換するべきなのは間違いないのです。

アメリカでは1日の航続距離が軽く100kmを超えるので、3000~5000kmのオイル交換インターバルだと、すぐに到達してしまいます。

それでもメーカー指定の16000kmだと壊れてしまったので、8000kmくらいで交換してくれと。

日本ではもっと短いインターバルの方が安心です。

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