今回はちょっと稀なオイル漏れのケースでした。今までで2回だけ遭遇したことがあるケースのオイル漏れ。
事の発端は、高速道路を走っていたらオイルランプが点いてしまった。という相談から。その場ですぐに停止して、JAFに助けてもらったということで入庫してきました。その後すぐにオイルを注いでもらったが、オイル漏れは激しい。
車はホンダのアクティですが、エンジンはなんとか無事だった模様です。車両をリフトアップして点検してみると、どうもウォーターポンプの上の辺りからオイルがどんどんと漏れてくる。その辺でオイルが漏れてきそうな部位は3つ。
ヘッドカバーのパッキン
カムシャフトのオイルシール
ヘッドガスケット
しかしよく見るとタイミングベルトカバーの中からが一番怪しいので、とりあえずカバーを外してみました。
先日タイミングベルトを交換しているという。その時の記録を見るとオイルシールは交換されていなかった。
これだけの勢いでオイルが漏れてくるという事は、ある程度油圧もかかっている部分だと推測できます。もしかしてとカムシャフトのスプロケットをよく見ると
やはり。オイルシールが抜けている。
タイミングベルトを外してみました。
どうでしょうか?あまりお目にかけられないですが、オイルシールが抜けてしまっています。僕はこれは2回目の遭遇。1回目は三菱のeKワゴンのクランクシャフトのオイルシールでした。
オイル管理が悪い車だと、ブローバイの通路がつまり気味になってきます。そこに、エンジン回転を高回転を使い続けるとクランクケースの内圧が高まって、オイルシールに負担がかかってくる。
何かの拍子にシールが圧力に負けて抜けちゃったみたいですね。ちなみにホンダのE07Aというこのエンジンはクランクシャフトのオイルシールはプレートがあるので抜ける事はないと思います。
クランクシャフトのオイルシールは無事でした。
オイルシールを外してみると、中はスラッジだらけ
抜けてしまったカムシャフトのオイルシール
裏にはスラッジが堆積しています。
大体タイミングベルトを交換する時にオイルシールも一緒に交換する事がほとんどなんですが、この車両は換えられていませんでした。とりあえずカムとクランクのオイルシールを新品に交換して、ヘッドカバーを外して洗浄。ブローバイのホースを洗浄。
割と良くきくピットワークのオイルシーリング剤です。
エンジンのフラッシングをしてオイル交換をしてお客さんに説明しておきました。手を入れられそうな部分はきれいにしたけれど、内部がもっとつまっていれば、オイルシールが100パーセント抜けない保証はない。ということを伝えておきました。あとオイル交換の重要性というのも説明。
おそらくは大丈夫だと思うんですけどね。オイル交換をさぼっているとこういうところでもほころびが出てしまいます。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。