エンジンには最適なタイミングで点火をする必要があります。その点火時期を調整するために、カムシャフトとクランクシャフトのポジションをモニターしているセンサがあります。
それぞれカムポジションセンサとクランク角センサと呼ばれるものです。カムとクランクのタイミングを合わせているのがタイミングベルトやチェーン、タイミングギヤになります。
これはダイハツのクランク角センサ
クランク角センサとカムポジションセンサは、基本的に同じ類のセンサーです。スプロケットの突起がセンサのコイルを通過した時に発生するパルスをECUが取り込んで、それぞれカムシャフトとクランクシャフトの位置を検出しています。
レガシィのクランク角センサ。クランクのスプロケットの外側に刻まれたピックアップをセンサのコイルで読み込んでいます。
これはホンダのホビオ。エンジンマウント部分にカムポジションセンサが取り付けられています。
カムポジションセンサは、それぞれのシャフト回転位置をモニターしています。カムポジションセンサは、気筒判別もモニターしています。基本的にクランク角センサの手助けをしているセンサになってきます。
ちなみに、カムポジションセンサやクランク角センサのカプラーを引っこ抜いてエンジンをクランキングさせたらエンジンはかかりません。
こういったピックアップコイルのセンサの良否判定は、通常のサーキットテスタではちょっと向きません。
どうやってセンサの良否判定をするかというと、オシロスコープで出力波形をチェックするのが一番になります。
大体のメーカーが正常時のカムポジションセンサやクランク角センサの出力波形を整備書などに記載してあります。その波形と照らし合わせるわけです。
余談ですが、知り合いがタイミングベルトを交換した際に、クランク角センサかカムポジションセンサか忘れましたが、どちらかのセンサを通過するスプロケットの突起を少し破損してしまったらしいんです。
今は小さなオシロスコープもあるみたいですね。
そうしたら、エンジンはかかったけれどタイミングがうまく合わないような症状に陥ってしまったとのこと。スプロケットを交換したら治ったということでした。
あったまったらエンジンがかからないという怪奇現象は、このポジションセンサが不良になっている可能性が高いです。クランキングができない状態のセンサの出力波形をオシロスコープで点検する必要が出てきます。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。