車の部品には純正部品と社外部品が存在します。純正部品というのは、新車装着時についている自動車メーカーの純正部品。社外部品は純正以外のアフターパーツメーカーが作っている部品です。
純正部品よりも社外部品のほうが安いので、車検や定期点検などでは積極的に社外部品を取り入れることでコストを下げることも可能になります。
では、ブレーキパッドをどう考えるか?
目次
ブレーキパッドを純正にするか?社外にするか?
ブレーキパッドは様々なメーカーから販売されています。パッドの残量が減ってきたとき、純正部品を使うか?社外部品を使うか?
結果を先に書くと、きちんとした社外メーカーのブレーキパッドをチョイスすれば、社外でも問題ありません。車検の時に社外ブレーキパッドに交換して、ブレーキテスターで規定の制動力が出ないなんていうブレーキパッドは今まで見たことがありません。
しかし、社外のブレーキパッドにはシムが付属してこない。
純正のブレーキパッドについていたシムを外して付け替えるなどの必要が出てきます。車種とメーカーによってはシムだけで部品設定がないものもあります。
あまりにも元々ついていたシムが錆びているようだと、再利用が厳しいのでそういう場合は純正パッドをお勧めします。
純正パッドにはシムも付属してきます。
制動力は出るが、ブレーキパッドのキャラクターが変わる
ブレーキパッドを元々ついていた純正ではなくて、社外部品に交換するとどのような問題が起きるか?
車検に不合格になるようなことはありません。きちんと制動力は出ます。しかし、ブレーキパッドの摩擦材のキャラクターで、フィーリングが変わることがあります。
例えば純正パッドはブレーキを踏んだ時に、じわっときいてくるものだったとします。社外のブレーキパッドに交換したら、ブレーキを踏んだら最初から強めにキュッと止まるなど。
摩擦材の材料で、ブレーキのフィーリングが変わってくるのです。
これが違和感と感じられる人もいます。
今僕が乗ってる車ですが、社外のブレーキパッドが付いています。思った以上にブレーキが効かないと感じています。狙った位置で止まらない。自分が狙っている位置よりも車が前に出てしまう。
低速なら問題ないんですが、スピードに乗った時の急ブレーキの効きが甘い。これって怖いことです。車検の検査にはバッチリ合格できたとしても、自分のフィーリングにあっていない。社外のブレーキパッドに交換するとこんなことが起こりえます。
純正ブレーキパッドを推奨している車種もある
実は純正のブレーキパッドを推奨している車種もあります。僕が乗ってる車もそうですが、ハイゼットやアトレー。一部の年代の車種。
当時発売されたアトレーやハイゼットは社外のブレーキパッドに交換すると不具合が発生しました。
パッドを交換してブレーキを一回踏むと、その後引きずりを起こすような現象になったんです。最初は意味が分からなかったんですが、その後わかったのは社外ブレーキパッドの厚みが問題でした。
純正以上の厚みを持たせていたため、新品をおろして最初のブレーキング後に問題が出たという事。これはしばらく走行してパッドを削ってやれば問題は解消しました。
今では社外ブレーキを入れてもさほど問題がでないですが、当時は純正以外のブレーキパッドを使わないようにとコーションシールを貼って注意喚起をしていました。
純正指定されている車種は、できれば純正ブレーキパッドを使ったほうが安心です。
社外ブレーキパッドに交換するメリットは?
では、社外のブレーキパッドに交換するメリットは何か?
これはもうコストの問題以上はありません。性能を重視するのなら、なんでも純正部品のほうが安心です。
ですが、純正で高性能なブレンボを搭載している車の話です。フォレスターのSTIで発売された当初、ブレーキパッドに社外設定がありませんでした。純正定価はフロント5万円、リヤ5万円。
ここに工賃が入るので、4輪交換すると10万円オーバーです。しかも、よく効くブレーキって減りも早い傾向にあり、泣く泣く10万をはらって純正に交換したオーナーがいました。
その後社外設定が出て、半値以下でブレーキパッドが買えるようになりましたが。
コストを下げるために社外部品を使うという選択肢。これが社外部品の最大のメリットです。そして、純正パッドよりも高性能なブレーキパッドももちろん存在します。
純正以上の制動力が欲しいならブレーキパッドを高性能タイプに交換するべきです。いくら純正で交換しても変わりませんからね。
ブレーキパッドの純正、社外をまとめると
最後にざっとまとめてみます。
ブレーキパッドを純正にするか、社外にするか?
・シムが錆て再利用できないようなら純正パッドにすること
・ブレーキのフィーリングが変わるのが嫌なら純正
・コストを求めるのなら社外
・純正指定の車種はできれば純正
・純正以上の高性能を目指したいなら、高性能な社外
ご参考までに。僕は今度もう少しブレーキが効くようにするため、いろいろと試してみようと思っています。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。