車のブレーキを踏んだ時
「キー」
というなんとも耳障りな、甲高い音が聞こえてくることが多くなってきた・・。
このブレーキのキーキー音の正体は一体なんなのか?
一般的にブレーキ鳴きと呼ばれる
「キー」音ですが、この音は実はとても重要な意味合いを持っています。ブレーキのキー音には2種類あります。
・単純にあたりが悪くてブレーキ鳴きが発生している
・ブレーキパッドの残量が減っていて、警告音を出している
それぞれ順番にみてみましょう。
ブレーキを踏んだ時に、キーという音が発生する。
これは例え新品のブレーキを組んで間も無くであっても、新車であっても発生する可能性はゼロではありません。
ブレーキ鳴きはブレーキング時の振動などで発生します。どちらかというと、ディスクブレーキよりもドラムブレーキの方が鳴きが発生しやすい。
乗用車のフロントブレーキはほとんどディスクブレーキです。リヤブレーキに関しては、ドラムブレーキを採用している車もまだまだ多数あります。
ドラムブレーキでなぜブレーキ鳴きが発生するのか?
ドラムブレーキは熱がこもりやすい特徴を持っています。しかし、ブレーキパッドよりも設置面積が大きいため、制動力は強くなります。
その反面デメリットととして、熱がこもりやすくてブレーキシューが固くなりやすくなる。ブレーキングを続けていくと、どうしてもブレーキシューとドラムが接触を繰り返します。
そうすると、ブレーキシューの表面がどんどん固くなってしまう。これがブレーキ鳴きを起こしやすくしてしまいます。
車検整備などではドラムブレーキを分解した後、ブレーキシューの表面をペーパーがけして一皮むく作業をします。
硬化したブレーキを一皮むいて、ブレーキ鳴きをおさえると共に制動力を均一に戻す役割を果たしています。
このようにブレーキ鳴きは、例えブレーキが正常であっても発生することがあるということを覚えておきましょう。ディスクブレーキも同様です。
しかし、なかには危険なブレーキ鳴きもあります。
こちらは新品のブレーキパッドです。厚みをよく見てください。
新旧のブレーキパッドの厚みを比較してみました。古い方のブレーキパッドは残り2〜3mm程度です。新品は10mmほどあります。
ブレーキパッドの厚みが減ってくると、ブレーキがキーという音を出すようになっているんです。
写真のように、ブレーキパッドには鉄のインジケータープレートがついています。
ブレーキパッドが減ってくると回転するブレーキローターに鉄のインジケーターが接触するようになっています。これがブレーキのキー音を発生させます。
理由は何か?
ブレーキが減っていることをユーザーに知らせるためです。ブレーキのキー音が発生したらブレーキパッドが減っている可能性があります。
ブレーキパッドが減って、ブレーキからキー音が出ているのなら早急にブレーキパッドの交換をしないといけません。もしそのままにしておくと、ブレーキパッドを使い切ってブレーキローター自体もダメにしてしまいます。
こちらがブレーキパッドの限度以上使いすぎて、地金を削ってしまたブレーキパッド。
ブレーキローターにも筋が入ってしまい、使い物にならなくなります。
ブレーキパッドの交換だけなら15000円〜2万円程度ですむ修理代が、ブレーキローターも交換になると修理代が3万円〜5万円くらいまでかかってしまいます。
それではどうやって、ただのブレーキ鳴きとブレーキパッドが減っているキー音を見分けるか?
まずポイントになるのがブレーキの警告灯は点灯しているかどうかという点。
ブレーキの警告灯はサイドブレーキを引いた時に点灯するこの警告灯です。
これが走行時にたまに点灯する時がある。という場合、もしくはサイドブレーキを引いてもいないのに点灯しっぱなし。というときはブレーキパッドが減ってる可能性がかなり高くなります。
ブレーキ警告灯が点灯する理由は、ブレーキフルードが入っているタンクからブレーキフルードが基準値を下回る量しかなくなった時です。
ブレーキパッドが減って、ブレーキフルードがブレーキキャリパーの中に下がっている場合、それかブレーキフルードが漏れている場合。どちらにせよ危険な状態なのですぐに整備工場に確認してもらってください。
そして、音で聞き分けるポイントとして、ブレーキパッドが減ってインジケーターが音を出しているキー音はブレーキを踏んでいなくてもキー音が出るようになってきます。
ただのブレーキ鳴きの場合、ブレーキを踏んだ時に音がでますが、ブレーキパッドが減ってきたときのキー音はブレーキを踏んでなくても鳴るようになるということ。
ここを見極めてください。
ブレーキパッドの残量はアルミホイールなどを履いていると隙間が大きくて確認しやすくなります。
ブレーキパッドが使える面というのは、写真のように2段階になってる内側のみ。
ホイールの隙間からここの厚みだけを覗き込めばある程度の残量がわかるということですね。
厚みが少ないブレーキパッド
厚みが多いブレーキパッド
よくブレーキパッドを見ておけばなんとなく残量がわかります。
鉄チンホイールだと隙間がほとんどないので、ライトなどでよーく見ないとわからないかもしれません。タイヤ交換を自分でやる人なら、その時に確認しておくというのがいいかと。
それではブレーキのキー音についてまとめてみます。
ブレーキのキーというブレーキ鳴きは2種類ある
・単純にブレーキが硬化して起こるブレーキ鳴き
・ブレーキパッドが減っていて、ユーザーに知らせるブレーキ鳴き
ブレーキ鳴きの見分け方
・ブレーキを踏んでいない時でもシャラシャラ音がする
・ブレーキを踏んでいない時でも小さくキーという音がする
・ブレーキ警告灯のランプがたまに点灯する時がある、もしくは点灯しっぱなし
こういう時はブレーキパッドが減っています。
ブレーキ鳴きを放っておくと
・ブレーキパッド交換だけではずがブレーキローターもダメにして修理費用が高額になる。
ブレーキパッドだけの交換なら15000円〜2万円程度。
ブレーキローターもダメにしてしまうと3万円〜5万円程度修理代がかかる。
ブレーキのキー音が発生したら、早めに点検する。ブレーキパッドの残量を自分で確認できない人は整備工場で点検してもらってください。
ブレーキ修理の費用を抑えたいのであれば、ブレーキパッドを持参していくのがオススメです。
ブレーキパッドは順純正品が安くて信頼あります。
トヨタはDJブランドのブレーキパッド
日産はピットワーク
ホンダはHAMP
これらの3メーカーは純正品ではないものの、順純正といったポジションの部品です。
純正品と同等の性能を持っていながら、それでいて価格は半値近いです。
この3つのメーカー以外の場合はakebonoブレーキがオススメ。
akebonoブレーキは、各車種ラインナップしています。何と言ってもF1にもブレーキパッドを供給していたメーカーです。それでいて大衆車を幅広く設定しているのでオススメ。
ブレーキパッドを交換する作業をお願いするとき、ブレーキクリーナーも持っていきましょう。
整備工場で作業するとパーツクリーナーという部品を取られることがあります。自分で持ち込めばそれこそ200円くらい。
お店で請求されると1000円近い・・。これは持ち込んだ方がお得。
部品をうまく持ち込んで、少しでも車の費用削減ができると最高ですね!
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。