車の運転に敏感な人ならすぐに気が付く症状を今日は紹介します。最近なんだか車が重たく感じるようになった。加速が悪い気がする・・・。
毎日乗っている車で、オーナーであればそうした異変に気が付く。
車が重たくなったというイメージでしょうか?加速が悪いという時、一番先に考えつくのがエンジンが吹けないという症状。ただ、この場合エンジンは普通に吹け上がる。
エンジンに問題がないけど車が重い。ATなのにクリープ現象が起こらない?こういう時真っ先に疑って欲しいのがブレーキの引きずりです。ブレーキの引きずりは故障の部類でいうとかなりよろしくない状態にあります。
順を追って説明します。
目次
ブレーキの引きずりとは?
そもそもブレーキの引きずりという故障。一体どういうことが起きているのか?
車のブレーキって、ブレーキペダルを踏んでその圧力を油圧で四輪のブレーキへ伝達しています。それが物理的な油圧ブレーキか、今はハイブリッドなどになると電子的なブレーキになります。
ドライバーがブレーキペダルを踏むのをやめたとき、通常であればブレーキは戻ります。ブレーキの引きずりというのは、ペダルを離してもブレーキがずっと効いてしまってる状態をさします。
正常なブレーキはペダルを離せば、ブレーキが戻る。引きずってるブレーキは常にブレーキが効きっぱなしになってるということです。
ブレーキの引きずりで車両火災に
車のブレーキは、タイヤと直結しているブレーキローターをブレーキパッドで挟み込んで制動力を得ています。
ドラムブレーキの場合は、タイヤと直結しているブレーキドラムの内部にある、ブレーキシューが広がってドラムと接触して制動力を得ます。
動いているモノに対して、ブレーキパッドやシューでおさえつけてブレーキをかける。当然摩擦熱が発生します。ブレーキはこの熱エネルギーをもってして車を止めています。
ブレーキが引きずっているということは、常にブレーキ部分が擦れて熱を持っている状態です。
これがマズイ。
ブレーキの引きずりにも段階があって、重篤に引きずっているとどうなるか?ブレーキが思いきりかかっているところに、エンジンのチカラで無理やり車を動かしています。
エンジンに負担がかかるのはもちろんのこと、何もしていないのに相当な摩擦熱がブレーキに発生しています。
これが原因で発火することがあります。車両火災を引き起こす怖い現象です。
ブレーキ引きずりの簡易点検
それではブレーキの引きずりはどのように点検すればいいか?
これはタイヤ交換の時に簡単にチェックすることができます。その方法は、車をジャッキアップしてギヤをニュートラルにしておきます。
当然のことながらジャッキアップしていないタイヤには輪留めをかけておくこと。
空中に浮いているタイヤを手で回してみる。駆動輪であれば若干重さは感じるものの、手でくるくると回すことができます。
ブレーキが引きずっている場合、手で思いきり回さないと回らない。下手すれば人力じゃタイヤを回すことができないほどロックしています。
リヤの同様に点検します。気を付けないといけないのは、サイドブレーキを解除しておくこと。サイドブレーキをかけた状態でジャッキアップしてもタイヤは回りません。
このように、タイヤを手で空転させられるかどうか。ここがポイントになります。
まとめると
最近車の力がない。そう感じるとき、原因がエンジンにあるのかミッションや駆動系にあるのか住み分けをする必要があります。
エンジンの吹けが悪いかどうかはニュートラルでからぶかしをしてみると、ある程度わかります。スムーズにエンジン回転が上がらない場合、エンジン側に問題がある可能性が高いです。
ただ、からぶかしのレーシングをできないように車側で制御している車種もあります。
エンジンに問題がなければ、ブレーキの引きずりを疑ってください。
ブレーキが引きずっていたら早急に修理しないと危険です。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。