Categories: ブレーキ

初めてブレーキのフェード現象にあった。フェード現象の恐ろしさを再確認

先日山に山菜を採りに行きました。初めての山道で、結構登りました。

帰りにちょっと時間が押してきていたので、山道をそこそこのスピードで下ってきたんです。

久しぶりの峠道なので、ルンルンで下ってみたんですが途中から車のブレーキがおかしくなってきた。

ペダルタッチこそさほど変わらないんですが、明らかにブレーキが利かなくなってきた。むむ?もしかしてこれはフェード現象というやつかな?

と冷静に分析してみたんです。ブレーキを多用して引き起こすトラブルにベーパーロック現象というものもあります。ただベーパーロック現象はブレーキフルードが沸騰して、ブレーキラインにエアが混入してしまうトラブル。

今回遭遇したブレーキが効かない現象は、ペダルタッチはしっかりしたまま。だけどブレーキが効かないんです。ブレーキパッドを交換して当たりがまだ付いていない状態とよく似てるなぁと。

興味深くなったので、そのあともうちょっと峠の下りを攻め込んでみたんです。どの程度までブレーキが利かなくなるかを試してみたかった。

整備士としての純粋な疑問ですけど。当然下ったさきに広場があるということがわかっていて安全マージンを取った上での実験ですけど。

すごい。いやーこんなにフェード現象ってブレーキが利かなくなるんだ。もう踏んでも踏んでも止まらない。笑えないほど止まらない。

速攻でエンジンブレーキをMAXで利かせて車をなんとか停車させてブレーキをみてみた。

整備をしていて、よくブレーキを引きずった状態で走ってしまう人の車を見るんですが、それと同じでしたね。

まあ匂いはタイヤの焼けるにおいでわからなかったけれど、色がちょっとチタンみたいな虹色がかっていた。

よくサイドブレーキを引きずったまま走ってしまったから点検してくれというお客さんのドラムブレーキを開けると、ドラムの中が虹色になって焼きがはいっているのがわかる。

そしてブレーキライニングはカチカチに硬化してしまってるんです。本来ならライニングを交換するに限るんですが、ペーパーをかけまくって表面を削ってあげれば制動力は戻ります。

それと似たような状態がこのブレーキパッドとローターにおこったんだな。

それにしても今まで若い頃に散々峠を攻めて走ってきたんですが、一度もフェード現象に遭遇したことはなかったんです。

FDで走ってもFCで走ってもカプチーノで走っても。

まあブレーキパッドをストリートスペックの耐熱フェード性のものにどれも交換していたからだと思うんですけどね。

純正のブレーキパッドだとこんな簡単にフェードしちゃうんだなぁ。ちょっと貴重な体験をできました。

ブレーキを十分に冷却して効きが戻った時点で下って家に帰りました。みなさんもブレーキのフェードには気をつけて下さい。でもベーパーロックの方が感覚的に恐ろしいと思うなぁ。スカスカになって。

ブレーキフルードはDOT4にしておきましょうね。

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