新車で買ってもらった車が、2年2万キロ走行で異音が発生したということで昨日入庫してきました。
異音を再現してみようと、会社の周りを走ってみたらすぐに確認。
ああ、これはブレーキパッドが終わっている・・・。ブレーキングをした時のペダルタッチがゴゴゴゴゴというジャダーを発生して、極端に制動が弱い。
明らかにパッドが終わって地金でブレーキローターを抑え付けている状態・・・。
お客さんに、車がどのような状況にあるのかを説明したら腑に落ちないようでした。
新車で買った車が初車検を待たずして、2万キロ程度でブレーキパッドって終わっちゃうんですか?不良品じゃないんですか?という問いかけでした。
この車、現在の走行距離は20200km。年式は本当に2年落ちです。車両側の問題で、ブレーキが終わってしまったのであればメーカー保証を取れると思います。
しかし、ブレーキを分解してみた結果引きずりなどはなくて、ブレーキパッドも4枚均等に減っている。つまりブレーキに故障は見当たりません。
このことからブレーキパッドはきちんと機能していたということで間違いない。
このお客さんは、山間地に住んでらっしゃいます。毎日街へ下って勤めに出ています。車両はAT。街へ下る距離は片道15km位はありそうな地域。
車は軽自動車の乗用タイプ。いくら車重が軽い軽自動車であっても、エンジンブレーキをうまく使わないでいると、下り道でブレーキにかかる負担は大きくなります。
マニュアルなどだとエンジンブレーキを多用しやすい。オートマだとわざわざDレンジから落としてまでエンジンブレーキを効かせるか?というと、ちょっと微妙です。
細かく説明して、有償修理になることをしぶしぶ承諾してもらいました。修理が終わった後、車両を引き渡す時に一応念を押して伝えておいたのは、
「同じ使用状況化だと、今度は4万キロ弱にはブレーキが減っているので点検させてください。」
山間地など、高低差が激しい地域だとブレーキの負担が思った以上に大きいです。気になるようでしたら法定の12ヶ月点検を受けておけば安心です。
タイヤ交換時に自分でブレーキの残量を確認できる人ならギリギリまで使えるけど、お店にお任せの人は点検をちゃんと受けた方がいいです。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。