マツダのボンゴバンです。今やこのクラスで1BOXバンとなると希少なモデル。マツダの整備士の人が
「俺はボンゴで整備の基本を学んだ!」
と言っていたのを思い出します。
このボンゴ、たまにパワーウインドウが動かないという依頼。
入庫してきたときは確かに動かない。症状としては、運転席のメインスイッチで操作すると運転席と助手席ともに下がらない。
助手席側のサブスイッチで操作すると、助手席側のドアガラスは動くという症状。
同僚がさらっと診断をしていました。スイッチの感触がおかしいからメインスイッチがダメだと思うと同僚。
走行距離が20万キロオーバーで、ドアの開閉時にギーコギーコ音がしてちょっと気になったので直ぐに部品は注文しませんでした。
ボンゴのパワーウインドウスイッチはネジ1本外すと取れてきます。
確かに若干運転席側の感触がおかしい。中で接点が不良になってるのかな?とりあえず注文する前にバラしてみる。
そりゃ20万キロも使ってれば内部の感触もおかしくなるよね。と思いながらテスターで接点の導通を点検。
すると、一応スイッチは操作すると導通するので機能的にはシロ。手応えがイマイチだから交換をお勧めしてもいいですけど。
そうなるととりあえず動かない運転席側のパワーウインドウモーターに12Vを直で与えてみると、動いたモーター。
その状態でもう一度スイッチを取り付けて動作確認すると動かない。
状況を整理すると
・運転席パワーウインドウスイッチで操作すると、運転席・助手席ともに動かない
・助手席のサブスイッチで操作すると、助手席は動く
・運転席のパワーウインドウモーターに12V直電源を与えると動く
以上のことから、スイッチとモーターはシロであると判断。ハーネスの点検に入りました。
パワーウインドウの配線で一番断線しやすいのがここ。ドアのヒンジ部分。
幾度となく開閉される部分でハーネスの負担が一番大きいです。コルゲートチューブをめくっていくと発見。
1本断線しています。簡易的に繋げて動作確認すると正常に機能しました。
ということで、ハーネスを修理。
パワーウインドウが正常に戻りました。
忙しく診断すると、おそらくスイッチである。と誤診しかねない今回の件。
走行距離がかさんでいる車は、スイッチの手応えがおかしくてもちゃんと導通点検をすること。もしハーネスの断線だったらもっと費用をかけないで修理することができますから。
一応スイッチも長く持たなそうという話をしたら、スイッチは壊れるまで使うというのでハーネスだけの修理となりました。20万キロ走ってるボンゴに15000円近いスイッチの投資はちょっと考えちゃうのかもしれませんね。
ボンゴのパワーウインドウ修理でした。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。