新車でハンターカブCT125を買ったことは、お伝えしたとおりです。
主に週末にしか乗る機会が今のところないので、走行距離が伸びないんですけど、燃費計測をしたいと考えています。
そこで燃料を満タンに入れようとしているんですが、ハイオクどうかなって。
ハンターカブって5.3リットルしかガソリンタンク容量がありません。カタログ燃費だとリッターあたり60km程度走るので、満タンで300km位走れる計算にはなります。
ここで悩むのは5.3リットルしか入らないのならハイオクを入れようかなっていうこと。
もちろん生まれて初めて買った新車なので、手厚くメンテナンスはしていきたい。オイルもホンダ純正G1指定ですが、G3を入れようと思ってます。
ランニングコストがかからないから、オイルや燃料はいいものを入れたい気持ちになる。
5.3リッターならハイオクとレギュラーの価格差って100円にも満たないわけですから。
改めて、ハイオクとレギュラーについて確認したいと思います。
ハイオクとレギュラーの最大の違いはオクタン価です。耐ノック性とも言われるもの。
日本ではレギュラーがオクタン価89以上。ハイオクが96以上となっています。ちなみにイタリアやイギリスのレギュラーはオクタン価95でハイオクはそれぞれ97と98以上とされています。
日本の場合レギュラーとハイオクのオクタン価には大きな差がありますが、ヨーロッパではその差が少ないのが特徴です。
マツダのスカイアクティブXって、ヨーロッパで先行発売されて、向こうの燃料でセッティングされていました。その為、後日日本で発売されるとハイオク推奨という悩ましい仕様になっています。
向こうの方がオクタン価が高く、レギュラーでもOKのはずだったが、日本のオクタン価が低すぎたという事ですかね。
オクタン価を上げる最大の狙いはノッキングの防止です。ただ今の車にはノックセンサが付いているので、ノッキングを検知したらECUが点火時期を都度調整して、エンジンを保護します。
その為、ハイオク指定車にレギュラーを入れても、調整をかけるのでエンジンは壊れないけど、カタログ表記の性能は発揮できないということになるわけです。
昔のノックセンサが付いていない時代までさかのぼると、ハイオク指定車にレギュラーを入れるとノッキングを防げなくてエンジンにダメージを与えてしまいます。
ここまでがさわりの部分になります。
レギュラー車にハイオクを入れると、メリットもあります。まずハイオクにはレギュラーよりも清浄性が高い添加剤が入っています。(昭和シェルのV-Power)
その為、エンジン内部のカーボンなどをハイオクを入れることで奇麗にできるという点。
そして、若干昔のレギュラー車であればハイオクを入れることで、出力を向上させることが可能になることがある。
どういうことかというと、登り坂などでアクセル全開にするとエンジンに負荷がかかります。この時ノッキングを若干でも検知すると、点火時期の調整に入るためイメージ通りのパワーがでなくなる。
それをハイオクを入れることで耐ノック性があがっていれば、同じ負荷をかけた場合でもノッキングに耐えてパワーダウンを防げるという点です。
しかし更なる調査をしていると、近年の新車にはいたずらにレギュラー車へハイオクを入れるのは良くないという見解があります。
その理由は以下の通りです。
特に直噴エンジンなんですが、ハイオクってレギュラーに比べると燃えにくい。耐ノック性が高いのもそうですが、若干燃えにくい。
これが諸刃の剣となるのです。
新世代の直噴エンジンでレギュラー指定の場合は話が変わります。レギュラーガソリンのオクタン価で、きめ細かくマップを組んであるので、ここに燃えにくいハイオクを入れるとどうなるか?
ノッキングの問題は向上します。しかし、燃えにくさが仇となって直噴に溜まりやすいススが堆積しやすくなる。
ススが燃焼室に溜まれば溜まるほど、ノッキングの要因につながります。これが最近の直噴エンジンにハイオクをいれない方がいい理由です。
この写真は新車からずっとハイオクを入れ続けてきたND型ロードスターの燃焼室です。煤がたまっています。走行距離は50000kmくらい。
ハイオクを入れていても直噴だとここまで煤が溜まってきます。
いろいろと悩みましたが、ハンターカブにはメーカー指定のレギュラーを入れることにしました。
ハイオクを入れてあげたいんですが、おそらくはレギュラーで燃料制御のセッティングを取っているはずです。そのハンターカブにハイオクを入れると、燃調と点火時期がイマイチ合わなくなって、本来の性能が逆に発揮できなくなると思います。
ここ最近新車で出てきてるレギュラー車には、もはやハイオクを入れない方がいいのかもしれません。
代わりにフューエルワンをある程度走ったら入れてあげようと!
ハンターカブの燃料タンクは5.3リットルなので、フューエル1が1本あればおよそ5回分位使えます。
ハイオクを入れられない代わりにPEA配合の燃料添加剤をたまに入れてあげるのがエンジンにとって最良の手段になるわけです。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。