バッテリーを充電して取り付けたらアクセルが効かない?信じられないバッテリーの状態と原因

ちょっと興味深い故障修理があったので紹介します。事の発端はバッテリーの在庫があるか?という問い合わせから始まりました。

言われた通りのサイズと容量のものがあったので、取りに来るとの事。お客さんがバッテリーをお買い上げに来た時に相談されました。

「このバッテリーはもう使えないのかな?」

おそらく車についていたであろうバッテリーをお客さんが持参してきたので、バッテリーテスターにて状態を測定してみたんです。

バッテリーテスターって、バッテリーにつないでその状態を測定してくれます。プラスとマイナスをテスターにつないで、いざ測定してみようとするとまったくテスターが反応しません。

お客さんを目の前にして、かっこ悪いなぁと思いつつ、もしかしたらテスターが壊れているのかな?と疑問に思って他のバッテリーにテスターをつなぐときちんと測定ができた。

つまりバッテリーテスターは壊れていなくて、バッテリー自体がすっからかんであるという結論になります。

それでもちょっと腑に落ちない点があったので、サーキットテスタでバッテリー電圧を計ってみました。すると思いもよらない自体が・・・。

なんとバッテリーの極性が反転していたのです。バッテリーの状態を観察すると、かなり熱くなっている。おそらく充電されたばかりの状態・・。

いずれにしろ、このバッテリーは使えないということで新品のバッテリーをお客さんが買って帰りました。

エンジンがかかったけど、アクセルが効かない?

翌日、バッテリーを買っていったお客さんから電話がかかってきました。

「昨日バッテリーを取り付けたけど、エンジンはかかるけどアクセルが効かない。」

というのです。

この時点でなんとなくの疑問が、ある推測を立てるのに十分になりました。

自走が難しいということでレッカーして車を預かってきました。すると思った通りです。エンジンチェックランプが点灯してスロットルが効かなくなっています。

この車両は電子制御スロットル搭載車なので、アクセルペダルとスロットルバルブはワイヤーでつながっていません。アクセルペダルは可変抵抗のスイッチで、それをもとにECUがスロットルを開けている車です。

これの意味することは何か?

エンジンチェックランプが点灯して、フェイルセーフが働いている。エンジンはかかるけど、いわゆるセーフモードになってるので、アクセルを踏んでも加速しません。

ヒューズ類を点検していくと、やはり切れています。

一体何がどうしてこうなってしまったのか?

極性の反対になったバッテリーをつないでヒューズが飛んだ

ここからは推測になります。バッテリーが上がってエンジンがかからなくなった車から、バッテリーを外して自分で充電。

その後バッテリーを取り付けたらヒューズが飛んでしまった。

何故ヒューズが飛んでしまったかというと、バッテリーの極性が逆になっていたからです。極性が反対のバッテリーを車両に取り付けたことで、いわゆるバッテリーの逆接状態になってヒューズが飛んだ。

この時点でオーナーはバッテリーが使えないのかな?と疑問に思って、バッテリーのみを購入しに来たということではないかなと。

サーキットテスタでバッテリー電圧を計測したら12Vを割って11V台でしたので、車両のメインヒューズを飛ばすまでには至らなかったのかなと。

そもそもなぜバッテリーのプラスとマイナスの極性が反対になったのか?

バッテリー充電を間違えると極性が変わることがある

バッテリーのプラスとマイナスの極性が反対になってしまった・・・。バッテリーテスターだとテスターの電源が入らないだけでわかりませんでしたが、サーキットテスタを当ててみると確かに極性が変わっています。

ではどうしてバッテリーの極性が変わってしまったのか?

実はバッテリーを充電する時に問題があるんです。

バッテリー上がりですっからかんになったものを充電する時、誤ってプラスとマイナスを逆に接続して充電してしまった場合。人為的なミスになりますが、こういう場合極性が反転します。

バッテリーにある程度電気が残っていて、バッテリー充電気に逆流防止装置がついていればこんなことにはなりません。

古いバッテリー充電気だと逆流防止機能がついてないものがあり、バッテリー極性を反対につないだ状態で充電ができてしまうものがあります。

そして充電が完了するとプラスとマイナスが入れ替わったバッテリーが出来上がってしまうのです。

自分でバッテリー充電までできてしまう、ある程度車に詳しい人が陥りやすいミスです。

今のバッテリー充電気は安全機能の他、サルフェーションを除去する機能もついているのでバッテリーを長く使いたい人にはお勧めです。

それにしても最初に疑問を持ってサーキットテスタでバッテリーを計測しなければ、答えにたどり着くまで時間がかかったであろう案件でした。

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