エンジンを長く使っていくと2通りの汚れが溜まっていきます。オイル交換が深くかかわってくるスラッジと、燃料系統に堆積するカーボンデポジットです。
スラッジは、オイル交換を適切に行っていれば堆積することはありません。エンジンの燃えカスや不純物などは通常ならオイルが包み込んで、オイル交換をすることで排出されます。
オイル交換をさぼっていると、これらの汚れが排出されないで堆積していき、固体化してエンジンのヘッドなどへ堆積していきます。
カーボンデポジットは、燃料系統に堆積する汚れです。
普通のエンジンならインテークマニホールド内でインジェクターがガソリンを噴射。スロットルから吸い込んだ空気と混ざり合って、インテークバルブから燃焼室へ吸い込まれて爆発されます。
この際バルブ付近などには、やはり付着した燃料が堆積されていきます。
特にチョイノリを繰り返すと、ファーストアイドルが終わるまでは燃料を濃く噴射しています。燃焼室の温度が上がらない為、燃えカスも溜まりやすくなります。
これらがカーボンデポジットとして徐々に溜まっていきます。
スラッジは、フラッシングオイルを使うことで徐々に溶解して奇麗にしていくことができます。
即効性と遅効性があります。エンジンの為を思うなら遅効性フラッシングオイルを定期的に入れていくのがいいと思います。
即効性のフラッシングオイルは、灯油そのものみたいなもので、急激に汚れを落とすことで副作用を伴います。
落ちたスラッジがオイルラインを詰まらせるなどして、エンジンにダメージが入ることもあるので、素性のわからないエンジンなどは遅効性フラッシングオイルを使うことがお勧めです。
カーボンデポジットはどうすれば落とせるのか？
これはPEA配合の燃料添加剤が有効です。PEAはポリエーテルアミンという物質で、カーボンやを強力に溶かし、取り除くことができます。溶かされた汚れは燃焼室で一緒に燃やされクリーンになります。
大手ハイオクには清浄性があると言われてきました。しかし、今ではシェルのハイオクだけにしかエンジンをクリーンにする成分は入っていません。
もし、レギュラー車でエンジン内部を奇麗にしたいからハイオクを入れている！という人はぜひPEA配合の燃料添加剤を試してください。
燃料添加剤もホームセンターに行けばたくさん売られています。
その中で気を付けないといけないのが、すべてにPEAが入っているわけではないということ。例えば燃料タンクの水抜きを目的とした添加剤の場合、配合されているのはアルコールです。
アルコールは水とガソリンを混ぜる性質があります。燃料タンクに溜まった水を溶かしながらガソリンに混ぜ、それを一緒に燃やすことで水を除去してくれるのです。
PEA配合の燃料添加剤は値段が若干高い傾向があります。
それではお勧めできるPEA配合の燃料添加剤はどれか？
まずは不動の評価を持っているワコーズのフューエルワン。
僕も何台かに何回かに分けて添加して、燃焼室の状態をモニタリングしてきました。
確かに燃焼室は少しずつ奇麗になっていくのがわかりました。
そして、奇麗なエンジンに使うとピストントップに汚れが付着しているのも確認がとれました。どういうことかというと、インテーク系統から落ちた汚れが燃焼室へ吸い込まれているということです。
しばらくそのまま走ると、それらの汚れが燃やされて奇麗になっていきます。これは実体験ですので間違いない効果です。
続いてお勧めなのがAZの燃料添加剤です。
こちらもPEAが配合されていて、コスパが高いです。
僕も5本まとめ買いしていろんな車に入れてみましたが、フューエルワンと同等の効果があるのが確認取れました。
このAZの添加剤はフューエルワンに比べてドロッとして濃いです。
なので添加する分量もフューエルワンよりも少量ですむのが特徴です。コスパがいいんです。
いまやハイオクでエンジンをクリーンにすることは難しいのが現状です。我が家のロードスターなど新車からずっとハイオクを入れ続けてきましたが、燃焼室は思った以上に真っ黒です。
直噴エンジンはなおさらカーボンデポジットが堆積しやすいので、適度なタイミングでPEA配合の燃料添加剤を入れることがいいでしょう。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。