うちの管理車両ではないんですが、こんな修理依頼が入りました。
「ATなのにマニュアルのクラッチが滑ったような状態」
他の車はうちの工場で1台管理をしているお客さんのなので、新規車両です。
お客さんが来店した瞬間
ズボボボズボボボズボオオオオオー
と、ちょっと聞き慣れぬ音を発しているワゴンR。
マフラーに穴が開いているというか、なんだろう?車両を預かって診断していきました。
ATでクラッチが滑っているとなるとかなり一大事。力がない原因がミッションでないことを祈ります。スズキ車でパワーがでないとなると、よくあるのがイグニッションコイル不良。
駐車場から工場へ車を移動させようとアクセルを踏んでみた。
そうしたら、明らかに吹け上がらないエンジン。これはミッションの不良ではなくてエンジンだな・・。この時点で思ったより修理代がかからないかなと安堵しました。
が、事態は診断を続けることで一変しました。
なんだこれ?
イグニッションコイルを外したら2番シリンダーからものすごいススが出てきた。
こんなのは見たことがない。コイルが煤けているってなると・・・。もしや・・。
ガタガタガタガタ
プラグが手で回る・・。
締め付けられていない・・。
なんでやねん・。
ということで状況を整理。まずは一番直近の整備記録簿を見てみると、A工場で車検を受けています。その時にプラグは交換されていなくて良好に丸をしてはある・・。
しかし、脱着している可能性はある。というか、確認を怠っている時点でアウツ!
とりあえず診断を続けると、イグニッションコイルも1つダメになっています。
聞き慣れない音は、圧縮ガスが外へ漏れている音だったのです。
それにしても他の工場のオチっていうのを発見した時は、一番対応に困ります。
プラグはなんとか取り付けられそうだ。あとは圧縮を調べてみないと・・・。問題が山積みなのにさらにまた問題がやってきたなぁ。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。