エンジンオイルに新規格が発効されました。内容をみるとちょっと注視すべき部分があったのでお伝えします。
発効された規格はAPIのSPです。それまで最高だった規格としてはSN Plusでした。
近年のAPI規格を見てみると、SJ、SL、SM、SN、SNPlus、SPとなっています。単純にアルファベットがZに近づくほど新しい規格で、性能があがっています。
2018年5月にSN Plusが制定され、それから2年足らずで新規格のSPの制定。
内容はどのように変わっているのか?注視すべき点があったので紹介します。
現在CAFEと呼ばれている企業平均燃費に対応すべく、世界中の自動車メーカーで省燃費への取り組みを強化しています。
燃費を上げるために、様々な手法を用いていますが、その中に直噴ターボ車がかなり多く普及されてきています。
通常のエンジンに比べてシリンダー内へ直接燃料を噴射する直噴エンジンにターボを組み合わせたエンジンで、日本でも相当数の直噴ターボエンジンが搭載される見込みです。
問題はその直噴ターボで、LSPI(低速早期着火)と呼ばれる問題が表面化してきました。簡単にいうとノッキングが起きるわけです。ノッキングは最悪エンジンを破損します。
原因を突き詰めていくと、このLSPIの現象はSN以前のエンジンオイルが原因となって発生していることがわかりました。
これに伴い、SN Plusという直噴ターボのノッキングに対応するエンジンオイルが開発されたわけです。
今回制定されたSPというグレードのオイル。SN Plusとの違いはもう一つあります。
直噴ターボエンジンにはLSPIというノッキングが発生することが分かりました。その他にタイミングチェーンの摩耗問題も抱えていました。
直噴ターボでタイミングチェーンを使ってるエンジンは、チェーンが摩耗しやすいということで、それに対応するのが今回制定されたSP規格です。
SP規格は省燃費性能を筆頭に、洗浄分散性能、耐熱性能、LSPI防止性能とタイミングチェーン摩耗防止性能の対策を盛り込まれたエンジンオイルになります。
ここで気になるのは、では今まで出ている直噴ターボエンジンには、当時のオイルでも大丈夫なの?という問題です。
エンジンが開発された当時に指定しているエンジンオイルでは、LSPIとタイミングチェーン摩耗問題に対応しきれていないということになります。
できれば直噴ターボエンジンにはSP規格のエンジンオイルを入れたほうがいいのかなと。
もちろんこれからリリースされる直噴ターボにはどんどんとSP規格が指定されていくと思います。
LSPIとタイミングチェーンの2つの問題に関しては、エンジンに直接ダメージが入るといっても過言ではないので、気を付けてください。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。