車検整備で入庫してきた車に対して、受け入れ段階で概算見積もりから上乗せで、他の部位で交換が必要な箇所、交換したほうがいいけど車検には通る箇所などを出してお客さんに伝えます。
今日も驚かれましたが、たまにアルミホイールを交換したほうがいいよね!という車に遭遇します。
アルミホイールって交換するの?とびっくりされることが殆どです。一般的にホイールを交換するという考えが浸透していないからかもしれません。
しかし、アルミホイールも交換をしないとマズイ状況ってあるんです。今日はそんなケースを3つほど紹介します。
目次
腐食によるエア漏れが発生した時
アルミホイールで交換を推奨する原因ナンバー1というと、腐食によるエア漏れです。
主にビード部とチューブレスバルブの取り付け部に発生します。
このアルミはビードは奇麗なものの、エアーバルブ付近がかなり腐食しています。実際に4本ともエア漏れを発生していました。
鉄と違ってアルミって錆びないんでしょ?アルミは確かに錆に強い金属ですが、腐食します。
車のアルミホイールって、イメージしやすくするとアルミの素材に塗装をかけて奇麗にしています。
腐食が発生すると、この塗装が浮いて剥がれてくる。これが気密性を損なう原因になります。アルミホイールがビード部などから腐食してきて、エア漏れを発生した場合、その部分を奇麗に磨き上げてシーラーを塗布するなどする必要がでてきます。
著しくひどい場合は交換をお勧めします。これが交換理由その1。
ホイールナットとの接続面が変形している
続いてアルミホイールの交換をお勧めする原因として、ホイールナットが緩む・うまく締まらないというものがあります。
理由は簡単で、オーバートルクで締め付けられてアルミホイールがえぐれてしまっている場合。
アルミがえぐれていると、ホイールナットとの接続面が均一にならなくなり緩みやすくなります。いくらトルクレンチで締めたとしても緩んでくることがあるんです。
ホイールナットの締め付け部が変形していたりする場合、交換をお勧めします。
ホイールナットを締めつける時にトルクレンチを使わないで、オーバートルクで締め付けてしまったり、変な潤滑剤を塗布したりして締め付けると、規定以上の力が加わるので変形しやすくなります。
トルクレンチは必須です。
ホイールに歪みや割れが見受けられた場合
いいホイールの条件って、軽くて剛性の高いものです。大きな入力を受けたときに割れないで曲がってくれる方が望ましいです。
例えば、ラリーを想像してください。ラリーって道なき道を全開で駆け抜けていきます。
ラリーカーがジャンプするシーンってよく見かけますよね?あれがどれだけ足廻りとホイールに負担をかけるか。
段差を乗り上げたときに、いきなりホイールが割れたらどうですか?一気に空気が抜けたり、ハブからホイールが脱落する危険があります。
すぐに割れるホイールは危険です。いいホイールは割れこそしないけど、しなってくれる。アルミホイールには苦手な分野ですが、いいアルミは強い入力を受けたとき曲がります。
もしホイールが曲がったり割れていたりしたら即刻交換です。
危険です。
汎用品のホイールならタイヤより安い
でもアルミホイールって高いでしょ?と思いますよね?
実はそうでもないです。タイヤより安い位です。もちろんデザインが良かったり専用のホイールは高いですよ。
汎用のホイールはそこまで高くありません。雪国など塩カルがまかれている地域で使っているとどうしても腐食してきます。
そしてタイヤの脱着回数も南の雪が降らない地方に比べると、多いです。ナットとのあたり面も歪みがちです。
最近ハンドルが振れるなぁと思う時など、実はタイヤやアルミが原因の事が多いんです。長い期間使ったアルミはタイヤと一緒に新品にすることをお勧めします。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。