エンジンにはエアクリーナーという部品があります。エアフィルターとかエアーエレメントとも呼ばれている部品ですが、エンジンに取り入れる空気のゴミをシャットアウトしているものです。
湿式と乾式があり、乾式のものは掃除をしながらつかい、5万キロ位を目途に新品に交換します。もし、このエアクリーナーが詰まったらどうなるか?
よく言われるのが燃費が悪くなるというもの。なるほどこれは、空気が取り入れられなくなるので、単純に混合気が濃くなってしまうからですね。
しかし今の車にはO2センサが付いています。AFセンサが付いてる車もあり、排気ガス中の酸素濃度を検知して、ECUに信号を送ってます。
排気ガスの濃度によっては空燃比をフィードバック制御しているので、燃料を薄くなるように調整しています。
整備をしていると真っ黒なエアクリーナーは何度も目撃してきました、完全に詰まったらどうなるかを検証したことはありせん。
本日実験してみました。
僕が乗ってる車でテストをしてみました。
と、言ってもこのエアクリーナーは交換してから1万キロもつかっていないので、比較的奇麗な状態です。
これを詰まらせるにはどうするかと考えた結果、サランラップをぐるぐるにまいて空気が通らないように細工して取り付けることにしました。
エアクリーナーはこのフィルター部を空気が通過することで、ゴミを取り除いています。ここをサランラップで巻いてしまえば、空気をエンジンに取り入れることが困難になるはず。
果たして結果はどうなったか?
サランラップをぐるぐるに巻き付けたエアクリーナーを車にセットして、エンジンをかけてみました。
結果はどうなったか?
まずエンジンは一発で始動できました。これは意外です。
しかし、吸気音がいつもと違っているのが分かります。高周波な甲高い音がキーンと聞こえます。タービンというか、吸気が苦しそうなイメージです。
明らかに空気が足りてなく、酸欠状態なエンジン音が聞こえます。
そして、アクセルを勢い良く吹かし上げたらまさかの
「ボン!」
アクセルを吹かし上げた時、「ボンっ」という音がしたので、ビビッてエンジンを停止してしまいました。
その後エアクリーナーを外してみたら、一か所穴が開いているのが確認できました。
推測するにエンジンの負圧の力でラップを吸い込み、穴をあけたという事でしょう。
想像する以上にエンジンの吸気の力って大きいんだと感心しました。
いつも中途半端な検証で終わってしまって申し訳ないんですが、実際に山道などを走って負荷をかけた場合どうなるか想像してみました。
おそらくはラップがエンジンの負圧に負けて、ボロボロになりながらなんとか吸気をしていくんだと思います。
もし、強固なラップで破れることがないとしたらどうか?
エンジンがどうしても空気を吸えない状況になれば、停止するはずです。停止する直前はフィードバック制御前になろうはずだからプラグもかぶってるかな。
空気が取り入れられないという事は、エンジンにとってマスクをしながらマラソンをしろということなので、なるほどこれは負荷が相当掛かっているなと。
チューニングタイプのエアクリーナーっていうのは、吸気抵抗をできる限り減らしているものになります。
興味があったあら取り付けてみてください。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。