車屋さんで働いていると、毎日いろんな車を運転する機会があります。
その時、特に今みたいな夏に感じることは
「この車はエアコンの効きが凄いな」
「これでエアコン効いてるのかな?」
と。
故障しているわけではないのに、車によってエアコンの効きというものにかなりの差があること。
できればエアコンはキンキンに冷えてくれた方がいいですよね?
エアコンを今よりも冷やすために、僕が今まで試した中で、これは効果があったなと思える作業を紹介します。
エアコンって、基本的には部品の容量を超えた効果は得られません。例えばコンデンサの大きさだったり、エバポレーターの大きさだったり、コンプレッサの容量だったり。
しかし、これら構成する部品の性能を100%使い切れているかというと、車種によってはレイアウトの違いなどで必ずしもそうではないと言えます。
狙うのは、80%しか発揮できていないエアコンを100%にするということです。
最初はちょっと専門的なところから。
エアコンサービスステーションと呼ばれている、総合的にエアコンをメンテナンスする機械があります。それで何が出来るのかというと、エアコンラインをいわゆる初期化すること。
長年車を使ってくると、ガスが微妙に漏れて減ってきたり、内部に空気やら水が混入してきます。
エアコンのラインというのは真空にして規定量のガスとコンプレッサオイルを封入してあること。これが大前提であり理想です。
しかし、長く使ってくるとこれができない車が増えてくるんです。
エアコンサービスステーションを持っているショップで、エアコンラインのクリーニングを施工してもらう。
使い古されたエアコンを純正で出荷された状態にまで復元してもらうということになります。これ、かなり効果があります。ただ、このサービスステーションを持ってるショップさんは少ないので、施工できるお店とそうでないお店があります。
DIYで出来る作業としては、エアコンのコンプレッサオイルを入れる。
それも普通のオイルではなくて、ワコーズのパワーエアコンプラス。非常に効果の高いエアコンコンプレッサオイルです。
これを入れるとどうなるか?エアコンのコンプレッサはガスと一緒にオイルが封入されており、それで潤滑しています。
このコンプレッサオイルにドーピングしてあげる。すると、コンプレッサの駆動でロスが減るため、パワーが上がるし抵抗も減るので燃費も向上する。
こういうわけですね。実際に僕も自分の車で試してみましたが、入れる前と後では温度が1度低くなりました。
使い込まれた車に使用すると効果が高い添加剤です。
エアコンを構成するパーツでコンデンサというものがあります。
いわゆるエアコンシステムのラジエターという風に考えると、わかりやすいパーツ。
家庭のエアコン室外機のような役割をしています。
高温高圧の半液体になった冷媒を低温高圧の状態にします。コンデンサがうまく機能しないと、エアコンの効きが非常に悪くなります。
ここを改善します。コンデンサはラジエターと前後して取り付けられていて、外からのゴミや虫などが付着しやすいんです。
ひとまずコアについた異物を掃除して取り除く。
信号待ちなど、走行風が当たらない時はラジエターと一緒にコンデンサは電動ファンで冷却しています。
この電動ファンの作動をより良くするために、スポンジなどでコンデンサとラジエターを密封してある車が多いです。
古くなるとこのスポンジがボロボロになってしまいます。これでは信号待ちなどで電動ファンが回っても冷却されないので、スポンジを貼り替えるなどが効果的です。
こちらも古くなった車には一定の効果が見込めます。
以上が、エアコンの効きを戻すために効果的な作業です。
今度ちょっと違った側面から突っ込んだ作業をしてみようと思っています。それもまた後日お伝えします。
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ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。