ということで、ホンダバモスHM2のタイミングベルト交換をレポートしたいと思います。
ホンダ バモス
型式HM2 13年式
NAのマニュアル
NAのマニュアルなので、エンジンはアクティトラックなどと同様に横置きレイアウトです。
今回交換した部品は
ヘッドカバーパッキンセット
タイミングベルト
テンショナー
アイドラー
カムオイルシール
クランクオイルシール
ウォーターポンプ
出来ればオルタネーターベルトとエアコンベルトも新品に交換したほうがいいと思います。
僕が乗っている車両は、補機ベルトの状態が思いのほか良かったので再利用しました。
まずはヘッドカバーを外します。
イグニッションコイルを外してブローバイホースを外して、カプラーのステーと
ワイヤーの固定のネジを外してヘッドカバーのネジを外す。
固着しているのでちょっとかたいからマイナスドライバーなどで軽くこじってください。
変な場所をこじらないように。
ホンダの軽自動車のエンジンはヘッドカバーがタイミングベルトカバーを多少覆っている部分があり、
ヘッドカバーをはずしたほうが作業効率があがるのです。もしヘッドカバーパッキンを交換しない場合は
ヘッドカバーの取り付けなどを外して、ヘッドカバーを少し浮かせるようにしておくだけでもOK。
続いてエアインテークパイプを外します。
そして補機ベルトカバーを外して補機ベルトを外す
クランクネジを緩めるためのSSTです
とりあえずクランクシャフトプーリーのネジを外してプーリーを外す。
ちなみにこのエンジンは左回転をしているエンジンです。
強力なエアインパクトがあれば簡単に外せますが、なければホンダ専用のクランププーリーのおさえのSSTを購入してください。
タイミングベルトカバーを外すためにはエンジンマウントを外す必要があるので、はずします。エンジンをしたから何かで
支えた状態で外してください。
DIYで作業をする場合は、出来るだけ高めにリジッドラックをかけて、エンジンの下にジャッキを置いて、ジャッキで支えた状態で
マウントを外します
マウントを外したら、ステーも外します。これでエンジンを少し下に下げます。そうすると作業性がよくなります。
サーモスタットハウジングにつながっている冷却水のホースに負担をかけない範囲でエンジンを下に下げてきます。
続いてカム角センサを外してタイミングベルとカバーを外す
DIYでエアツールなしでこの作業を行うのは結構大変だと思います。
くどいようですが、バモスの横置きエンジンはエンジン回転が左回転となっていますので注意。
まずは1番圧縮上死点にあわせてタイミングベルトを取り外す
クランクのタイミングマーク。スプロケットにある小さな矢印とシリンダーブロックの矢印マークを合致させる
カムがややこしい。スプロケットに刻まれたマークがシリンダーヘッド上面に合致すること。
写真の角度からは一コマずれているように見えますが、まっすぐの角度で見ると合致しています
これでテンショナーのネジを緩めてタイミングベルトを取り外します
これで各オイルシールなどの部品を交換していきます。カムのスプロケットを外すには
やはりインパクトレンチがあるか、SSTのカムスプロケットを固定するための道具がないと駄目。
規定トルクとか気にしないのであればインパクトでガガガッと外しちゃいましょう
クランクのスプロケットを外してクランクのオイルシールを交換します。
およそ10年10万キロ走った状態。漏れはないが、少しシールがにじんでいた。丁度良い交換時期
オイルシールをシャフトとボディを傷つけないようにうまく抜く。これが難しい。
抜いたら同様の位置まで打ち込む
続いてウォーターポンプを交換します。
10mm数本でとまっています。外したらクーラントがもれてくるので
下に桶を用意して受けてください。クーラントはきちんとした工場で処理してもらいましょう
ウォーターポンプを外した状態。パッキンはゴムなので簡単。
古いウォーターポンプの位置決めのノックピンが残ってきていたら
新しいポンプに移植しましょう。錆びて外れないようなら、潤滑剤を浸透させてグリグリと引っこ抜きます。
実際この車もノックピンはなかなか外せなかった。
クーラントの排出がおさまったら新しいパッキンをセットして、ウォーターポンプを組み付けます
これで、アイドラーベアリングとテンショナーベアリングを交換します
これでカムとクランクのスプロケットを取り付けて新しいタイミングベルトをかけます。
あいマークをずらさないように注意しながらベルトをかけましょう
タイミングマークをずらさないで、ベルトをかけることが出来たら
張りの調整に入ります。このエンジンはカムシャフトを5コマ進ませたポジションでテンショナーのネジを締めこむとしています。
テンショナーベアリングのネジは仮止めの状態でスプリングが動けるようにしておきます。
これで左回転をカムシャフトのアイマークから5コマ進ませた場所でテンショナーベアリングのネジを締め付けます。
これでベルトの張りが適正な張りとなったわけです
各ボルトに締め忘れがないかを確認して、念のためクランクシャフトを左にまた2回転進ませてください。
この状態で再びクランクのマークとカムのマークがそれぞれ合致していることを確認後、
元に戻していきます
どんどんと元に戻していきます
全て組み終わったら、抜けてしまったクーラントをラジエターより注入してエア抜きをします。
またまたこのバモスのエア抜きは難しい
ヘッドカバー付近のこのエア抜きボルト
そしてヒーターパイプに2箇所
これはエンジンの近くです。エンジンからヒーターパイプのホースがつながる場所の上部に2箇所あります。
あとRヒーターが付いている車なら、運転席の下にリヤヒーターコアがありそこにもエア抜きブリーダーがあります。
これら全てのボルトを緩めておいて、クーラントが溢れてくるまでラジエターより補充します。
溢れてきた場所からブリーダーを締めていって、
アイドリングがきちんと下がること、ヒーターが効く事。この2点を確認しましょう。
これでバモスのタイミングベルト交換は終わりです。DIYではちょっと敷居が高い車種かもしれませんね。
がんばってください。
整備指数は3,4とかその辺だったと思うので、工場に頼むと工賃は25000円近い作業になります。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。