本領を発揮できない整備

本領を発揮できない整備です。ボクはもともと人が見ているときに整備をするのを苦手とする。
特に人の車を整備しているときは、会社の中で一番といってもいいほど気を使う体質だからかもしれない。
ようするに緊張してしまうのである。
会社に入った当時はもっとひどかった。乗りなれない車、使い方が良く分からない工場の中。
オイル交換にきたお客さんの作業ですらいっぱいいっぱいになっていた自分がいた。
その時は最終型のセリカが発売になったばかりで、そのオイル交換だったのを良く覚えている。
6MTで、ローに入れているつもりが、バックに入っていたなんておちだった。
今では、お客さんに見られながらの整備もかなり慣れてきた。フロントの先輩は、こだわりの持っている人の車のETCの取り付けをボクに依頼することが多い。こだわりの持っている人は、大抵作業を見にきたがるものだ。短気な整備士なら、何をいいだすかわからないという不安感があるのかもしれないし、先輩がイライラするのが見え見えだからかもしれない。

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先日もアルテッツアのETCを取り付けるように言われた。この時フロントマンが、やはりお客さんが作業を見に来るかもしれないと僕に告げて戻っていった。
ボクは、それを聞いて急いで車両を工場の中に入れて、オーナーが見に来る前にインパネの分解に入った。
アルテッツアのインパネは外したことがなかったからだ。パネルは取り外しにある程度思い切りが必要だ。
傷をつけるとかそういった意味合いではない。本領を発揮できないからである。
オーナーが見に来たときにはある程度のパネルは外し終えていたので、後はスムーズに質問に答えながら
整備ができたのを覚えている。
昨日もボクは本領を発揮できなかったことがあった。それは、僕がある整備をしていたら、同僚が見に来たのである。
ボクは一人で集中して整備をする方なので、同僚に気を使いながら整備をしていたら時間がかかって仕方がなかった。
同僚がいなくなった瞬間に閃き、すぐに作業は終わった。同僚からしてみたら
「作業にはまっていたんじゃないの?」
ということなのだろうけれど、そうではないのである。特に納期が急ぎではない作業だったので、
同僚との対話をしながら作業をしていたので、本領を発揮できなかったのである。
と、たまに本領を発揮できないときがある。それは整備を10年くらい続けていれば、お客さんの見ている前。
という理由ではなくて、他のものなのかもしれない。それだけ大人になったということか。

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