検査が終わったらこのタイヤを履いて納車してくれればいいから!がなぜダメなのかを書く

年明け早々、Xに去年の出来事をつぶやいてみました。

車検で預かった軽トラック、荷台にサイズの違う乗用車用タイヤが載ってました。
何かと思ってお客さんに聞いたら
「それ履いてほしい」
という
このタイヤだと車検通せないので無理ですと伝えたら
「検査終わった後履き替えてくれればいい」
という
指定工場だこら出来ませんというと…— チームMHO 自動車整備士 (@teammho) January 1, 2025

とまあこんな内容です。ちょっと誤字脱字もあり、お恥ずかしい限りです。

今回はこのことについて書いてみます。

ことの発端は、車検に入庫してきた軽トラックです。

その軽トラックは冬なのにノーマルタイヤを履いていました。まあ冬は使わない人もいるので、ノーマルタイヤの状態は良好だったので、車検は問題なかったと。

しかし、軽トラックの荷台に面白いサイズのタイヤが載っていました。

155/65R13で、昔の軽自動車の乗用がよく履いているタイプのものでした。

ただの物置的に積んでいるのか?何を意味するのかがわからなかったので、嫌な予感がしましたがオーナーに連絡をとって確認しました。

すると、Xに投稿した通りになりました。

「それ履いてほしい」

という

このタイヤだと車検通せないので無理ですと伝えたら

「検査終わった後履き替えてくれればいい」

と、こういう流れですね。

実はこのやりとりって、ものすごく多い。もう月に何回こんなやり取りをしないといけないか・・・。というくらい言われます。

今回このタイヤだと車検通せないと伝えた意味は、そもそも荷台に乗っているすり減ったスタッドレスタイヤは、プラットフォームを突き抜けてスリップサインまで減っていたからです。

こんなような状態です。

タイヤサイズとホイールについては、装着したとしても車体からはみ出ないし、ロードインデックスといわれる耐荷重もクリアしていました。

なので、それを説明したんですが、冒頭のやりとりになってしまったと。

車検整備って、そもそも勘違いしている人が多いと思います。

僕が勤めている指定工場の場合、9割以上は自分の会社で完成検査を行います。その検査で適合したと検査員が証明して、車検証が更新できる。

お客さん的には、整備だけして陸運局に持ち込んで検査してくるんだろ?と。だったら陸事に持っていって車検が終わった後に履き替えてくれればいいんだよ!と。

指定工場のルールとして、それはできません。と丁寧に伝えても捨て台詞を吐かれてしまうわけです。ご年輩の男性に非常に多い問答です。

たとえ認証工場であったとしても今回の場合はNGです。そもそも車検にも通らないような溝がすり減ってるタイヤを履いて納車しろ!というのは、車検整備を請け負ってる時点で、モラル的にもダメですから。

車検整備を請け負って、指定工場でも陸事にこのすり減ったタイヤを履いて、持ち込み検査をして合格できるのならやってもいいと思います。

でも、みなし公務員である僕の目から見て、明らかにスリップサインが出てるタイヤを履いて陸事に持ち込むこと自体ナンセンスです。

傾向的に高齢の男性ユーザーに多いのが、

「陸事の目を欺いて検査を通してこい!それがお前らの仕事だろ?誰が金を払ってると思ってるんだ?」

という考えを持ってる人。忘年会でこのやり取りを上司と同僚に相談したら

「そんなの速攻で出禁にしていい」

と満場一致しましたので。今年からモラル欠如しているお客様の整備はお断りしていこうと思っています。

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