非常に稀なトラブルに遭遇したので書き記しておきます。
車はスペーシアです。
相談事は何かというと、電源がOFFにできないというもの。
電源がOFFにできない？どういうことなんだろうか？
車はプッシュスタート車で、通常ならブレーキペダルを踏んでプッシュスタートボタンを押す。
すると、エンジンがかかります。エンジンを切るときは、プッシュスタートボタンを押すだけですよね？
エンジンは始動できます。
が、エンジンを止めると
ACCの状態にしかなりません。
なんで？
プッシュスタートの故障か？などいろいろ頭をよぎったわけですが、整理して考えてみました。
車はAT車です。AT車のエンジンを停止して電源をOFFにする条件ってそもそも何か？
シフトをPにしていないと電源は切れないし、キー差し込みタイプの車なら鍵も抜けませんよね？
そこにもしかしてヒントがあるのかと思い、診断機をつないでデータモニタしてみると
Pレンジ検出確認でON・OFFが切り替えられていないことがわかりました。電子的な信号がコンピューター上で確認するとOFFになっていない。
そのため、車はPレンジにはいってないよと認識をしているため、エンジンを停止してもACCまでしか電源を落とすことができない。
もちろん車はPレンジに入れています。
ということは・・・
ここでも頼りになる後輩整備士が原因を究明してくれました。
ご覧の通りです。シフトレバーの奥にある配線が一本断線しています。
不思議なのはそもそもなんでこの細い線が切れてしまっていたのか？これが切れたことで、Pレンジになっていると認識ができず、電源を落とせなかったということになります。
もちろんこの辺を新車時から分解したことがあるかとか、アフターパーツをつけた影響かというとそうでもないんです。
もしかしたら今後こんな症状が増えていくのか？たまたまこの個体だけだったのかは不明ですが、スペーシアで電源がOFFにできない症状になったという場合、シフト奥の配線を点検してみてください。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。