正月の通常営業日ではなく当番をしていたら、一見さんが入ってきました。
聞くと、ウインカーがおかしいというのです。
左のウインカーを出そうとすると、点滅が速い。と。
以前電球が切れたということで、ガソリンスタンドで交換してもらったそうです。
その後、またすぐに電球が切れて、違うガソリンスタンドで交換してもらった。
そして、またもウインカーが速くなったと。お正月真っ只中で、特に予約もなく緩やかな時間だったので見せてもらいました。
走行距離は13万キロオーバーでした。
まずは症状を確認すると、確かに左へウインカーを出すと点滅が速いです。
車を確認すると、フロントはウインカーが点滅しているのに対して、リヤが点滅しません。
ウインカーが速く点滅するのって、どこかのウインカー球が切れた時に速く点滅します。
と、ここで不思議に思ったのは連続してウインカー球を交換してもらった。ということです。聞いてみたらやはり左の後ろのウインカー球が、連続して切れて交換してもらったと。
なるほど・・と思って、テールユニットからウインカーをソケットごと取り外し、プラス線をゆすってみました。そうしたら点滅が始まりました。
やはり・・。
多分このワゴンRは、電球が切れていたのではなくて、接点が不良だったんだなと。
電球を脱着したことで、接点が導通して正常にもどったので
「電球が切れてました!」
とガソリンスタンドで交換されたんだろうなと。
その後また点灯しなくなったのは、やはり接点が不良だったから。だけど違うガソリンスタンドで交換をしてもらった為、疑いの余地もなく電球を交換して接点が導通したため、
「電球が切れてました!」
という結果になったんだと思います。
お客さんが
「ブレーキランプが切れてしまって・・・」
と来店してくる時、安易に電球だけ交換するのはNGです。
本当にその電球が切れてるのかを確認しないと、のちに症状が再発します。
このワゴンRのウインカー球は、みたところ全然焼けてるようにも見えないし、フィラメントももちろん繋がっています。
そもそもの原因は接触不良だったんだなと。
ではどうするか?
まずそのソケットを交換してしまうのが一番手っ取り早いですが、正月真っ只中で部品休みだし、ディーラーがやっていたとしてもすぐに純正部品は届きません。
という事で、接点を調整することにしました。
電球を取り付けた状態で配線をゆすってみると、アース線もたまに接触不良になりました。
アースカバーを外して、接点をより接触するように調整。
プラス側も接点がより電球に接触するように、調整しました。
スズキってこのソケット配線が、特にプラス配線の接点が埋没する傾向にあります。
接点回りのクッションゴムをすこし薄くしたりして、しばらくは大丈夫だろうと。
次回、同じ症状が出たらハーネスの交換が必要ですよ!ということを伝えておいて整備完了としました。
電球が切れているっていうのは、よく調べないとブーメランのように戻ってくる事があるので注意です。
必ず電球が切れているかどうかをチェックしてから交換してください。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。