これは知らなかったんですが、トヨタの一部車種にはブレーキフルードが従来のものではない、DOT5.1を採用している車がありました。
これは技術情報の冊子で僕も初めて知ったんです。どうして大衆車にDOT5.1を採用しているんだろうかなと。
トヨタではアルファード、ベルファイヤにセンチュリー。2022年2月以降のモデルです。レクサスは多いです。IS300h、LC500、LC500h、LS500、LS500h、RC300hです。
確認したことがなかったですが、2022年の新型シエンタはどうなっているのか?
見てみました。
DOT5.1になっていると、キャップの色が黒っぽくなっているようです。
現行の新型シエンタはDOT3または4になっているので従来通りですね。
DOT5.1が採用されているのは、価格帯が高い車種だったりヘビー級だったりです。
そもそもDOTの数字を上げるとどうなるか?わかりやすいのが沸点があがるということです。
沸点があがるとどうなるか?例えば、下の山道でずーっとブレーキを踏んでいると、どんどんとブレーキが加熱します。
その熱をブレーキパッドからキャリパー、フルードへ伝達されていくわけですが、沸点が低いとブレーキフルードが沸騰しますよね?
フルードが沸騰すると、エアが噛み込んでしまうので、ブレーキのペダルフィーリングが著しく変化します。ふわふわだったりスカスカになるんです。
ブレーキって水鉄砲と同じ原理で、パスカルの原理をつかっていますので。いわゆるベーパーロック現象を抑止するには沸点が高いブレーキフルードを使うことが有効だと。
しかし、沸点が高いフルードは吸水性もあがるので、劣化しやすくなるという側面もあります。加えてDOT5.1は低音流動性も考慮されているので、寒冷地の車にもしばしば使われています。
DOTの数字が高いほど性能は上がるけれど劣化が早い。つまり車検ごとには必ず交換しないと、フルードの性能が落ちてしまいます。
他の車種にも今後採用するかわかりませんけど、整備で入ってきた時は要チェックですね。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。