スバルのTT型サンバーに乗ってる人から相談。
朝エンジンをかけようとしたらかからなかったということです。どのようにかからなかったのか聞いてみたら、セルモーターが回らなかったと。
その人はある程度のことはできる人なので、ブースターでつけがけ乗っていくから見て欲しいというので、見てみました。
最初に考えるべきはセルモーターが回らなかったということ。そしてブースターでつけがけしたらエンジンがかかって、うちの会社まで乗って来れたということ。
この時点で怪しいのは始動時の電源になるバッテリーですが、本人曰く3ヶ月前に交換していると。
基本に立ち返って一つずつ潰していきました。
バッテリーの製造年月日は2023年になっています。鮮度は申し分ありません。
テスターで計測してみます。
良好!
健全性87%。
充電量88%。
バッテリー自体は今のところ問題なさそうです。
もしやと思ってバッテリーターミナルなどを目視、触診しましたけど特に問題なさそうです。
ではセルモーターが回らなかったという原因はなにか?
よくあるイグニッションスイッチの不具合か、それともセルモーター本体か?
走行距離は12万キロオーバーですが、何度もキーを回してもIGスイッチの不具合らしきものは出てきません。
この車両はATなので、PレンジとNレンジで何度もスタートテストしましたが問題なし。
インヒビタスイッチでもなさそうです。
と、いうことはなんらかの原因でバッテリーが上がってしまったのかなと。
一応オルタネーターの状態を点検すると、ちゃんとアイドリング時で14V以上上がってきます。
オルタネーターも除外。
もしかして半ドアになっていたとか、ルームランプがつけっぱなしになっていたのか?と勘繰ってみましたが、そんなことはないと言っていました。
暗電流を調べようと思ったところ、気になることが。
それはエンジンルームにある電動ファンです。
これがずーっと回りっぱなしになっていました。
この人の家からうちの会社まで1kmくらいしかないほど近所です。そしてこの日の外気温は0度近い。
到着してからすでに電動ファンが回りっぱなしになっていました。
それがまた一向に止まる気配がない。
観察してみるとどうもおかしい。調べ初めて20分ほど経過しても全く止まる気配がない。
ということで、時間切れです。
この人はすぐに仕事に出ないといけないということなので、とりあえずこのカプラーを抜いてキャンセルしておきました。
もう一つこのサンバーはメーターの照明がつきっぱなしになって、バッテリーが上がるというトラブルがたまにあります。
が、この車体は大丈夫そうでしたので、電動ファンのキャンセルで様子を見てもらいました。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。