今日もこういったやりとりがありました。
車検をやったばかりなのに、ギヤが入らなくなったということで、車を引き上げてきました。
症状を確認すると、クラッチの切れがおかしいようです。どうやらレリーズベアリングがダメになっているのか、シフトフォークがおかしくなっているか?
車屋さんをやっていると、車検をやったばかりなのにおかしい!クレームにしろ!というやりとりが起きる時があります。
もちろん作業に非がある場合は保証にしますし、そうでない場合は有償で修理になることもあります。
その違いってなんなのか?
目次
車検後の作業でクレームになる事案
車検後に車がおかしくなった・・保証になる場合はどんなものなのか?
間違いなく保証になるのは、作業ミスが発生している場合です。例えば車検でクラッチをOHしたとして、クラッチが切れなくなった。
その原因はクラッチワイヤーの取り回しを間違えたとか、組み方に問題があった場合など。
エンジンのヘッドカバーからオイル漏れしていて、パッキンを交換しているけど漏れが止まっていない。その原因がパッキンがめくれて組まれてしまっていた。などなど。
正常に作業をしたら起こりえない、作業ミスが起因になる故障。これはクレームになります。
当然です。
クレームにならない部分とは?
ではクレームにならない場合はどうか?
今回のケースもそうですが、車検に入庫した段階で、ギヤは正常に入っていてクラッチもちゃんと切れていました。
たまたま不調になったのが車検直後だった。タイミングが悪いですよね。
もし車検の時に、症状が出ていたら最初からOHをお勧めしていますし、異音も何も出ていないと、先の故障を予測するのは難しいです。
最初っから走行距離が5万キロや10万キロを超えてるから、クラッチのOHもしないといけない!とお客さんに滑ってもないクラッチのOHを強制するわけにもいきません。
車検時には確認ができなかった部分が直後に故障したとしても、基本的に保証対応は難しいです。
今日もそれを丁寧に説明してみたんですが、やはり車検を通した後に故障するのは絶対のおかしい!修理代は払わない!の一点張りで、耳を傾けてもらえませんでした。
こうなると平行線なので、そうはいっても車検をしていただいているので、部品代だけ持って欲しいとかそういう事で収拾をつけるようにはなるのかなと。
車検をやったら、点検記録簿が添付されます。そこの裏面は保証書になってます。ただし、作業をした部分に関して何かが発生した時に限ってきます。
車検後にエンジンが失火して不調になったとして、それもプラグを変えていたり、コイルを変えていなければ保証は難しいですよね。
イグニッションコイルがいつダメになるか予測するのは難しいからです。とはいえ先ほども書きましたけど、5万キロや10万キロで全数交換を実施するかというと、費用がかさむため一般的ではないからです。
ある程度症状や前兆が出ているものに関しては、以後この辺りの不具合が発生する可能性がありますなどと記録に残しておきます。
当然その現象を予測できたり予兆が出ていたら、車検中に修理をまずはお勧めしますけどね。
車検後の不調っていうのは、本当にタイミングが悪くて困りますね。
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整備でもフロント業務などに携わる人は、クレーム処理も多いですから、勉強は必須です。
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ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。