ファン(補機駆動)ベルトが複数あるメリットとデメリットを考えてみた

車検や定期点検で、エンジンに使われてるベルトに亀裂が入ってきたり、溝が細くなってきたりしたら交換をお勧めします。

そのとき、エンジンによってはベルトは1本しか使ってない車もあれば、3本使ってる車もあります。もしかしたら2本の車や、昔は4本なんていう車もありました。

ベルトが複数ある場合のメリットとデメリットを今回は書いてみます。

今僕が乗ってる車はベルトが3本使われています。

・オルタネータベルト

・エアコンベルト

・パワステベルト

それぞれエンジンから動力をえて駆動する補機類を、1本ずつのベルトで回しています。

僕がみたことのある中で補機ベルトは最大で4本使ってる車がありました。

RX-7のFC3Sとシーマです。RX-7はオルタネーター、エアコン、パワステ、エアポンプ。シーマはオルタネーター、エアコン、パワステ、ウォーターポンプがそれぞれ独立したベルトで駆動していました。

このようにベルトが複数あるメリットは何か?

これは簡単です。1本切れても走行不能にはならないということです。例えばこの中で切れても大丈夫なのはエアコンベルト。

エアコンが使えなくても、走行は可能です。

オルタネーターベルトが切れると、バッテリーが空になるまでの走行しかできないのに対し、パワステベルトが切れると、ハンドルが重ステになりますが、最悪動かすことはできる。

こんな感じで、もし1本が切れたとしても、乗ることができる可能性が残ります。

では、デメリットは何か?やはり交換代がかかるということです。

ベルト1本の単価は、1本のベルトで全部の補機類を回しているサーペインタイン方式よりも安い。

しかし、交換工賃が高くなります。3本ベルトを交換するのと1本交換するのでは手間が全然違うでしょう。

そして、1本1本を人間が張りを与えていくので、張りすぎてトラブルになることがあります。

サーペインタイン方式からストレッチベルトへ

ベルトを張りすぎて、補機類のベアリングをダメにしてしまう。

ダイハツのKFエンジンのウォーターポンプで有名なトラブルです。

そういった、人為的なトラブルを回避するために、最近では伸びるストレッチベルトを採用してくる車が増えてきました。

ストレッチベルトは治具を使って、補機類にベルトをかけていきます。

サーペインタイン方式も多いですが、最近はこの手のストレッチタイプを使う車も増えています。

伸びるベルトなので、張り調整は不要です。1本で全部の補機類を駆動しているサーペインタイン方式は、オートテンショナーで張りを与えます。

オートテンショナーがへたってくると、ベルトが鳴いてきたりするので、ストレッチベルトはそういったトラブルもなくなってきました。

切れる時は切れますけどね。

補機ベルトは交換しやすい車もあれば、レイアウトによってはやりにくい車もあります。

工賃もさまざまですが、5万キロを経過してきたら交換すると安心です。

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