出張修理と現場処理能力

整備士をしていると、出張修理というものを経験するようになります。
これが僕は好きで、スリリングかつ、自分の能力を最大限に発揮しないと生還できない(笑)
脳みそをフル回転させて、やれるべきことを現場でこなしてくる。
特に、狭い道などで車が動かせなくなった状態だと、キャリアカーが入っていけないのでこういうゲリラ的な能力が発揮されるわけです。

よくあるトラブルとして、クラッチが切れない。これはもうレリーズシリンダーからのフルード漏れが一番経験した中では多かった。こんなの簡単。クラッチを使わないで車を動かして持ってくればいい。マニュアルで、クラッチペダルを踏み込まないでもエンジンがかかるならなおさら。ギヤを3速に入れた状態でセルモーターを回してセルモーター押しがけ。
そしてクラッチレスシフトを行い、信号待ちでエンジンをわざとストールさせる。
3速にいれておけば、ほぼ通常走行が可能なレベルなので、シフトチェンジする必要もあまりないからね。

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昔あった、雪道でチェーンの巻き方が甘くてブレーキホースを切ってしまうケース。
これは、ブレーキは大体タンデムシリンダー。一応マスターシリンダーを除いて、タンデムシリンダーであることを確認して、、切れているブレーキホースの上流側の断面にブレーキングをした時に、フルードが排出されないように蓋をしてやれば、そこの1輪はブレーキが効かないけれど、他の3輪のブレーキで走行が可能になる。僕が使ったのはいろいろな鉄板ビスを用意していって、径が合うものをちょっと強引に打ち込む。あとはビニールテープでぐるぐる巻いておくと。これで何とかOK。

僕が今まで一番すごいなぁと思った出張修理は先輩が行ったもの。
今思えば自分にもできる範囲ながら、入ったときは凄いと思った。鍵のない車を乗ってくる。
オーナー同意の下ある程度の請求見積もりを出して、先輩と夜の真っ暗の中現場へ。
確かビビオだったと思うけど、先輩はまずイグニッションスイッチを外してエンジンを始動できるか確認。
エンジンがかかったら、キーシリンダーを外してハンドルロックを解除。キーシリンダーはねじ山のないネジ。
暗い中、器用にタガネを使ってネジを回して外す。そしてシフトロックワイヤーも外してシフトロックを解除して車を上げてきた。時間にして20分もかからなかった。
うーむコレには最初見たとき僕はビックリした。が、こういう応用力ってやっぱり現場でしか見につかないし自分の危機管理の考え方を改めさせてくれるし出張修理はなかなか奥が深いと思ってしまう。
JAFの整備士など相当な応用力を持ち合わせているんだろうなぁ。

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コメント

  1. 修理屋35歳 より:

    メインキー紛失のロック状態で、どうやってもドアが開かない状態のクルマがありました。
    最終手段だと思ってグローブボックスを開け、ポーチを釣って助手席に置き、そのポーチのファスナーをなんとか開けてスペアを釣って外まで出して、なんとかなったという奇跡的なことがあります(笑)

  2. MHO より:

    それは現場行うのは奇跡ですね(笑)