困りました(苦笑)
定期点検で預かった車なんですが、ご用命事項で
「カセットデッキがうまく使えないので直して欲しい」
という依頼事項があったんです。
一通り点検を終えて、最後にカセットの点検に入ることにしました。それにしてもまだカセットテープを使っている人もいるんだなと。
おもむろにカセットモードにして再生ボタンを押してみたら
・・・・鳴らない・・・
おかしい・・というかよく見たらカセットテープが入っていないじゃないか!そりゃ鳴らないわけですよ。それではちょっと失礼しましてと、いかにもカセットテープが入っていそうなBOXなどを開けてみると見事に何も入っていない。
うわーカセットの点検をしたいのにカセットが1つも入っていないよこの車。
家に行けばあるか?と思ったけど、ありません。僕はすでにカセットテープというものは使っていない。音楽を聴くときはもっぱらiPhoneのiTunesで落とした楽曲を持ち運んで聞いています。
とりあえず症状を確認しないことには・・。
季節は3月だったので、廃車となる運命をたどる車が会社の構内にずらっと並んでいます。
その中のカセットデッキに1つくらいカセットテープが入っているだろう。
カセットデッキを開けてもない。
こうやって確認するとカセットデッキを搭載している車は結構あるもんだ。
だけど、肝心のカセットテープが1つも見当たらない。これはまいったぞ。
会社の中をひたすら探したけれど、BGM用の機材の近くにもない。まさかこんな展開になってくるとは・・。
CDで音がならないということで、同じ相談を受けた時に100円ショップでクラシックCDを1枚買っておいたんですが、録音済みカセットテープでの販売はどこのお店にも見当たらない。
途方に暮れかけた時、営業から帰ってきた先輩に相談すると
ありました。先輩!ありがとうございます。国民的アイドルでもある青いネコさんじゃないですか!ありがたく使わせていただきます。
カセットをデッキに入れてしばらくすると
「ちゃららららら ちゃららららら ちゃららららら ちゃーらら」
というあの昔のメロディが流れてくるではないですか!全然壊れていない。と、もう一度取り出して差し込んでみたら今度は急に早送りになったり怪奇現象が起こりまくりです。
馴染みの電装屋さんに相談したら、このメーカーはオーディオを作るのを辞めたらしくて、修理するにもパーツが手に入らない。つまり買い換えるしかないということです。
この結果を踏まえてオーナーに相談をしたら
「新しいカセットデッキをつけてください」
ということになりました。まだまだカセットテープは現役です。それにしても試すためのカセットテープというのも1つくらいはストックしておかないといけないとつくづく痛感した出来事でした。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。
コメント
カセットが突然早送りになるのはいろいろ原因がありますが、一番多いのはテープスピードを4.76cm/sに安定させるキャプスタン・ピンチローラー部分に問題がある場合が多いです。
入れなおして発生するのなら、ピンチローラーが上がらない時がある、何らかの原因でテープがキャプスタンの向こう側に行ってしまう(本来はキャプスタン手前側でピンチローラーを使ってテープを挟みこむ)、キャプスタンの速度を制御しているサーボモーターのコントロールユニットの異常が考えられます。
走行自体しない場合は大抵ベルト切れです。入手できるのであればベルトを替えましょう。
クリーニングしても音質が良くない場合はヘッドの角度(アジマス)がずれているorヘッドが摩耗しています。摩耗したヘッドは交換するしかありません。テープセレクターが手動の場合は、ノーマルテープでハイポジ・メタルテープを選択していないか、ドルビーNRを使用していないテープでドルビーNRをONにしていないかも要チェックです。(ちなみにハイポジ・メタルをノーマルで再生すると恐ろしいくらいシャリシャリのハイ上がりな音になります、ドルビー使用テープをOFFで再生しても不自然な音になります)
ヘッドアジマス調整はヘッド横のアジャストスクリューを精密ドライバーで回すことで出来ます。厳密にやろうと思うとテストテープとオシロスコープが必要ですが、市販ミュージックテープを再生しながら聴感で一番音がクリアになるところを狙って調整することも可能です。オートリバースの場合はフォワード・リバースで音質の差をなくすように調整することも重要です。
常時再生される音楽が微妙に早いor遅い場合はテープスピードがずれています。調整用のVRがあるので回して調整します。
これも厳密にはテストテープとオシロスコープがいりますが、聞きなれた曲が入った市販ミュージックテープor速度の安定した高級デッキで録音したテープを聞きながら調整することも可能です。
私もカセットテープを愛用していますが、良いデッキと良いテープを使えば、MDやMP3などの圧縮音源が鼻糞に思える高音質になります。
く、詳しいですね・・・。恐れ入りました。