ヒーター故障の原因!サーモスタットは設定温度で全開になるわけではない!

車のヒーターが効かなくなる故障として、サーモスタットの不良が原因として上がってきます。

ヒーターが効く仕組みは、エンジンが発生した熱をクーラントが冷やして、そのクーラントの熱を室内へ取り込んで温風を出しています。

つまり、クーラントがちゃんと熱くならないとヒーターが効きません。

クーラントの温度を左右する部品がサーモスタットです。通常なら設定温度まで閉じておいて、冷却水がすぐに暖まるように通路を塞いでいます。

そして夏場などオーバーヒートを防ぐ為に、設定温度になったら通路を開けて冷却水を循環させています。

ここまでは知ってる人も多いと思いますが、サーモスタットが閉じっぱなしになるとオーバーヒートを起こし、開きっぱなしになるとオーバークール、すなわちヒーターが効かなくなる。

では、サーモスタットってどのように開くのか?知っていますか?今日は実験してみました。

サーモスタットの開き方は想像とは違っていた

という事で、実験してみました。

まず、サーモスタットって数字が書いてあります。

これは88度と書いてありますね。サーモスタットはこの設定温度で開くようになっています。

仕組みは、中に入っているワックスペレットが温めらえることで膨張して開くんです。

つまりこのサーモスタットは88度になったら開くという事です。

ローテンプサーモというレース部品がありますが、それは開閉温度が低いタイプのものです。82度とか78度とか72度とか。それぞれ開閉温度が違います。

あらかじめ早い温度で開いておいて、オーバーヒートを防ぐ部品です。

ではここからが本題。サーモスタットを実際に開く瞬間をみたことがありますか?

多分整備士をしている人間であっても、その瞬間を見たことがある人は多くないと思います。

というのも、サーモスタットの良否判定って今はあまりやらないで、交換してしまうから。どのみち外すのなら新品に変えてしまいましょうという風潮があります。

壊れたサーモスタットをみた事ある人は、整備士の中ではたくさんいるでしょう。

そうではなくて、今回取り上げたいのは開き方と開く瞬間です。

それを試してみました。

結果を書くと、88度になって急にパーンと全開になるわけではありません。

実際のサーモスタットの開き方は、設定温度になってからじわりじわりと開閉していく。

これが正解です。

鍋の中で温度計と一緒にサーモスタットをゆでてみると、88度のサーモスタットが完全に開いたなと見てわかったのは90度半ばくらいになってからでした。

閉じる時は逆です。

88度に向けてじわりじわりと閉じていく。

つまり、オーバーヒートを防ぎたいとなれば、ローテンプサーモスタットに変える意味はよくわかります。

88度で全開になるわけではなくて、開き始める。これがサーモスタットの開き方になります。

ご参考までに

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