日野自動車の排出ガス・燃費性能試験における不正行為と今後について

残念ながら、深刻な不正ニュースが流れてきました。

トラックメーカーである日野自動車の排出ガス・燃費性能試験における不正行為についてです。

国土交通省HPより以下の掲載がありました。

本日、日野自動車より、トラック及びバス用のエンジンについて、排出ガス性能や燃費性能を確認する国の試験において不正な行為があった旨の報告を受けました。このような事態は、自動車ユーザーの信頼を損ない、かつ、自動車認証制度の根幹を揺るがす行為であり、極めて遺憾です。
国土交通省としては、日野に対して、事実関係の詳細な調査及び再発防止策の検討を実施し、速やかに報告するよう指示しました。引き続き、同社を指導し、環境性能の確保と再発防止の徹底について、厳正に対処して参ります。

国土交通省HPより引用

内容をざっと説明すると、

・マフラーの劣化耐久試験で、適合しなかったから途中で交換して継続した。

・燃費測定において、測定装置の操作パネルから、燃料流量校正値を燃費に有利に働くような数値に設定し、実際よりも良い燃費値を燃費計に表示させるようにした

・技術検証により、実際の燃費性能が諸元値に満たないことが判明

それぞれ3基のエンジンでの不正です。これは完全にアウトな不正ですね。かなり悪質な不正だと言わざるを得ませんね。

問題はトヨタにも波及するか?

こちらは実際のN04型エンジンです。

日野の中では小型のエンジンですが、このエンジンはトヨタ車も積んでいます。

というのも、ダイナというトヨタのトラックは日野のエンジンが積んでいますし、コースターというマイクロバスも日野のエンジンが積んでいます。

このN04型ですね。

今後どのような対応を取っていくのかというと、過去に同じケースの不正があったので、それに則って処置されていくと思います。

日産で過去に似たリコールがでています。デイズが、燃費基準を満たしていないのに満たしたことにしていたというものです。

この処置がどうだったかというと、自動車メーカーから基準を違反している部分の金額がユーザーの元へキャッシュバックされました。

燃費基準が満たしていないというものに関しては、日野自動車からユーザーへ返金という対応になるのかなと。

マフラー交換のリコールも発動されるか

それぞれのエンジンでリコールが出ると思います。

中型エンジン「A05C(HC-SCR)」

こちらについては、マフラーの不正なので、リコール内容はおそらくマフラーを交換するというものになると思います。

レンジャーなどが対象です。

大型エンジン 「A09C」「E13C」

プロフィアやセレガに搭載されているエンジンです。こちらは燃費基準に満たなかったという事ですので、返金するということになるのかなと。

販売が再開されるときは、登録諸費用などが変わってくるかもしれません。

小型エンジン 「N04C(尿素 SCR)」

こちらがデュトロやトヨタのコースターに搭載されています。

ちょっと原因がわからないそうですが、燃費基準に満たしていなかったようです。原因は調べているところですが、こちらも返金処理になるのかなと。

危険なリコールではないので、ディーラーからの対応を待って

内容を精査するかぎり、走行上危険なものではありません。

おそらくメーカーが発表して、その情報がディーラーに降りてきて、ユーザーへ届きますが、使っていて危険な不具合につながるわけではないので、ディーラーからの対応を待ってあげてください。

今自動車業界は3月で非常に混沌を極めています。日常業務にこれらリコールの対応をしていると、車検や登録など必ず3月に処理しないといけないものにも影響が出てくる可能性があります。

悪いのはメーカーであって、ディーラーは全く悪くないので。

ちなみに日野自動車からアナウンスされている原因などについては以下の通りです。

現時点までの判明事項から、現場における数値目標達成やスケジュール厳守へのプレッシャー等への対応が取られてこなかったことが問題の背景にあると考えており、経営として非常に重く受け止めています。
今後の会社経営においては、コンプライアンス最優先の姿勢を明確にし、すでに着手している組織変更や業務プロセスの見直しといったガバナンスの改善に加え、従業員一人ひとりの意識改革への取組みを進めてまいります。

日野自動車HPより引用

文章を読むと数値目標やスケジュールで相当なプレッシャーがあったことが分かります。

ということは、管理・経営陣に責任があるのは明白なので、この人事で人員配置を適切にしていただきたいなと。多分影響を受けたメーカーの現場より上の階層の人たちですね。

結果的にお客さんに迷惑をかけて信用が失墜してしまうだけなので。

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