自動車検査員をやっていると、完成検査の時に割といろんなトラブルに見舞われたりします。
車検の検査には同一性の検査からライン検査まで、たくさんの種類をこなします。
その中でトラブルを起こしやすいのがスピードメーターテストであると断言できます。陸運事務所の完成検査ラインにあるスピードメーターテストは、4輪フリーローラーを備えています。しかもすごいのがホイールベースが自在に変わるんです。
つまり、短い車だろうが長い車だろうが、4輪を勝手にフリーローラーの方が動いてセットしてくれるということ。4輪フリーローラーなので、駆動系のトラブルは皆無になります。
うちの工場のあるスピードメーターテスターは2輪のローラーです。2WDの場合は、駆動輪をローラーに乗せればOKです。ですが、4WDの場合が困る。
パートタイムの切り替え式4WDなら、メインの駆動輪をローラーに乗せれば大丈夫なんですが、リアルタイム4WDの場合です。
リアルタイム4WDのスピードメーターテストは、サポートローラーを使い、4輪回すんですが、このサポートローラーの安定感が最悪。まっすぐ走らせているつもりでも、ローラーがずれてくるんですよ。40km/hに達する前に車が吹っ飛んでいかないだろうなぁと心配になったりします。
当然こうやって不自然な駆動をかけるので、ABSのランプが点灯したりもします。なかなかに完成検査も神経が使うんですよね。
あと、ヘッドライトの調整も気をつけないといけません。オートでの光軸調整機能を持った外国車などは手動で調整をすると壊れることがあるんです。
基本的にやばそうな車が入ってきたら、事前に調査をしておき、検査数値が基準内に入っていれば、大きな調整をしないようにするのが安全な場合もあります。
バイクの検査は一番やっかいですね。ただでさえ2輪はバランスを取るのが難しい上に、重たい大型になってくると取り回しなども大変です。
完成検査って、いろんな面で気を使う作業です
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。
コメント
いろんなトラブル・・・
検査員とメカニックとのトラブル!(エラい事になった)
検査員の辛いところは、その会社員でもありながらみなし公務員という立場があるので、整備と対立しないといけない時があります。
整備は
「あの人が検査すると厳しくて嫌だな〜」
なんてイメージを持ってしまうかもしれないですけど、頑として譲れない部分があるのです。