エスティマのGSR55Wという型式のもので、エンジンが2GRのV6を積んでいるモデル。長年使ってくると、あちこち痛んでくるのはどの車も一緒です。
ただ、このエスティマはウォーターポンプから異音がでたら要注意です。
車のウォーターポンプって、10万キロを超えたあたりで要注意。異音がでたり、クーラント漏れを起こすことがあります。
消耗品と言えば消耗品で間違いないんですけど、GSR55のエスティマはウォーターポンプ交換が想像を絶する大変さなのです。
GSR55Wエスティマのウォーターポンプ交換はエンジン脱着と同じ工数
つり目になったばかりのエスティマは1MZというV6エンジンを積んでいました。1MZは同じV6エンジンでもタイミングベルトを使っていて、ウォーターポンプの交換はそれほど大変ではありません。
この2GRというエンジンは、タイミングチェーンになっていて、ウォーターポンプ交換が大変です。
日整連が定めている整備指数、GSR55Wのウォーターポンプ交換は15.5時間という指数が設定されています。
ピンとこないですよね?通常のウォーターポンプ交換作業の7倍から5倍の時間を要するということなんです。
どうしてそんなにタイミングチェーンのウォーターポンプ交換に時間がかかるのかと思ったら、実際作業してみるとよくわかりました。
外しても外してもウォーターポンプにアクセスできない・・・。
参考までにウォーターポンプ交換は15.5時間と先ほど書きましたが、このエスティマのエンジン脱着指数は15.5時間。
となると、本来エンジンを降ろして交換する作業ということもいいかえれます。
ただし、エンジンを降ろすとなると、降ろし方にもよりますけど後々いろんなものを調整しないといけない。
例えば、この手のエンジン脱着は車の下から落とすように降ろします。
エンジン・ミッション・フレーム・ステアリングギヤボックスなどをフレームごと降ろすんです。降ろすだけならまだしも載せた後はステアリングのサイドスリップや油圧のパワステならパワステオイルの補充。ミッションオイルも入れなおしたり。
載せた後の作業が手間です。
という事で、おろさないで作業してみました。できるかな?
ものすごく隙間がなくて、ポンプにアクセスできないので、コンデンサも外すことにします。
これでエアコンの真空引きとガスチャージも追加になってしまった。
ラジエターのコアサポートなども外したらここまで手が入ります。
エンジンマウントを外してようやくポンプの交換です。
ポンプが外れました。
これがエスティマのウォーターポンプです。大きいです。
ウォーターポンプ交換でここまで手間なのは初めてかもしれない。
確かにエンジン脱着と同じ指数なのは納得できます。
工賃だけで10万円オーバー、部品代を込めれば20万円くらいかかるかもしれません。
ウォーターポンプを交換するのなら、オルタネーターも外す必要があり、オルタネーターもかなり手間です。
できれば距離走っていればリビルトのオルタネーターへ交換、ベルトのオートテンショナも異音が出やすい箇所なので、ベルトオートテンショナも一緒に換えるのがお勧め。
やはり20万円は超えてきますね。
エスティマで異音が出てきたら、注意してください。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。