真夏になると、オーバーヒートに気を付けて!という類の記事がたくさん出てきます。
確かに外気温が35度を超える真夏と、マイナス5度くらいの真冬では、温度差が実に40度もあるのは間違いありません。
でも、今の車って例え真夏であってもオーバーヒートを起こしません。
オーバーヒートを起こすのはメンテナンス不足や故障しているからです。
もう一度何が原因でオーバーヒートを起こすのか?考えてみます。
目次
冷却水の安定化をはかる電動ファンがポイント
今の車で、突然オーバーヒートを起こした!となると、一番多い原因は何か?
これは電動ファンの故障です。
電動ファンはラジエターの後部に取り付けられています。走行中は走行風がそのままラジエターを抜けていくので問題ないんです。
ですが、渋滞や停車中って、空気の流れがありません。
そのままエンジンをかけ続けると、ラジエターを風が通過しないからクーラントの温度が下がらないわけです。
これを解消しているのが電動ファンの役割。電動ファンの仕組みは簡単で、水温が一定以上になるとスイッチが入り、電動ファンのモーターを駆動するだけ。
今の時代オーバーヒートするっていうと、この電動ファンが壊れている可能性が高いです。
要するに、停車中や渋滞中に水温を下げないといけないシチュエーションになっても、ファンが回らないからそのままヒートしてしまう。
診断機を当てているとよくわかります。診断機って、エンジンの各センサをモニターできるんですけど、現在水温が表示されていて、電動ファンが駆動したあとはいきなり温度が10度近く下がるんです。
オーバーヒートの原因ナンバー1は電動ファンの故障です。
クーラントの劣化と水漏れもオーバーヒートの原因に
電動ファンの故障は、予防整備の観点では難しいです。
急に壊れたりしますから。それが怖いのなら、期間を決めて交換してしまうのが一番。
あとのオーバーヒートって、整備不良が原因で引き起るものが多いです。例えばクーラント漏れ。ラジエターホースや水回りのホース。
ウォーターポンプなどは10万キロを超えた時点で交換しておく。するとまた10万キロは持つと考えていいわけです。
ラジエターも車種によっては早くにパンクするものがあります。ダイハツのラジエターが多いですね。ラジエターが弱いと言われる車は早期交換をしておいた方が無難です。
そして、クーラントの管理。
今はスーパークーラントなのでそこまでひどい車はみた事がないんですけど、ロングライフクーラントの時代に交換を怠った車。
ラジエターの中が錆び錆になっていて、それが目詰まりしてオーバーヒートするものが多かったです。
クーラントはちゃんと交換してれば問題ないんですけど。このあたりは整備不良が原因になります。
今の車、真夏であってもオーバーヒートすることはほぼないので、故障や整備不良を疑ってください。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。