冬になると車にあってほしい機能で上位にあげられるのがエンジンスターター。あらかじめ車のエンジンをリモコンでかけておくことで、様々なメリットがあります。
エンジンスターターによるメリットは、何といってもあらかじめ車を暖機できること。
外気温が氷点下に及ぶ場合、フロントガラスからリヤガラスまでバリバリに凍っています。それらを解氷する手間が省けるということ。
そして車に乗り始めた瞬間から、ヒーターがきいて暖かいということ。
人間の体感する部分に直結することで、昔からエンジンスターターを付ける人が多いです。
しかし、便利なエンジンスターターですが、デメリットも存在します。今日は知られざるエンジンスターターのデメリットを5つほど紹介します。
目次
猫バンバンができないということ
日産自動車の広報ツィッターから始まった猫バンバン!
寒い日などは野良猫がエンジンルームに暖を取りにやってくることがあります。そのままエンジンをスタートすると、最悪ベルトに巻き込まれて猫が怪我をしてしまう。
これを防ごうという事で、車に乗る前にボンネットをバンバンしようというのが猫バンバンの始まりです。
実はこれ、本当の話です。僕が住んでいる田舎では猫だけではなく、いろんな小動物がエンジンルームに侵入していることがあります。
もしエンジンスターターでエンジンをかけてしまうと、動物はまったく気配がない中でエンジンをスタートされることで気が付きません。
人の手でエンジンをかけるには、ドアを開けて運転席に腰を下ろして、スタートする必要があります。これだけの行程があれば動物も気が付きますが、エンスタだとそもそも動物にはわからない。
これがデメリットその1。
冷間時のエンジン音には重要な情報が詰まっている
車のエンジン音って、実は寒くなってくると微妙に変化してきます。
外気温が低くなればなるほど、異音が表れてくるんです。
わかりやすいのが2つあって、1つめはベルト鳴き。ファンベルトは温度が低いほど鳴きやすくなります。ベルト鳴きが発生したら、張りを点検しないといけません。
ベルトに亀裂があれば早急に交換をしないと破断します。
続いてはエンジン音です。冷間時のエンジン音って、夏とはまったく違うんです。暖機が終わるまでの間、いつもと違う打音が出ていないか?
打音が大きく出ている場合は、そもそもオイルが入っているのか?など重要な指針になるんです。冷間時のエンジン音を聞けなくなるという事がデメリットその2。
そもそもバッテリーの状態が把握できなくなる
これもデメリットその2と似ていますが、そもそもバッテリーの状態がわからなくなります。
バッテリーは気温が下がれば下がるほど比重が下がります。
バッテリーの状態を推し量るにはセルモーターの回り具合が一番わかりやすいです。なんだかセルモーターの回りが遅いと感じてきたら黄信号です。
早めにバッテリーを交換しないと、エンジンがかけられなくなります。
その日はかかっても明日はさらにマイナス3度低くなる。こうなってくるとさらに比重が下がるため、明日はエンジンがかからなくなるかもしれません。
その前にバッテリーの劣化に気が付いていれば、整備士やガソリンスタンドに相談ができて間に合ったかもしれない。
定期的にバッテリーを交換する人は大丈夫ですが、そうではない人にはエンジンがかからなくなるという結果につながります。
チェックランプやオイルランプなどを見逃すことがある
デメリットの4つ目。これも全体的に車の状態につながります。
冷間時にのみ警告灯が点灯していた。などという場合、それを見逃してしまうことになる。具体的にいうとエンジンチェックランプや油圧警告灯です。
チェックランプは、一旦点灯しても消えてしまう事があります。一度でもランプが点灯したと認識していれば、OBDをつないで故障コードを読み取ってもらえる。
気が付かないで走っていると、車にダメージを与える可能性もあります。
もちろんオイルランプもそうです。冷間時はオイルが非常に硬いため、油圧の上がり方が違います。オイルの状態を気にする人ならいいですが、そうでない人はその警告にすら気が付かないでいるかもしれない。
快適さを覚えて暖機をし過ぎることが多い
これは自分への戒めでもあります。
そもそもエンジンスターターがありがたすぎて、やっぱり余計な暖機時間が増えてしまう傾向にあります。
エンジンスターターにはアイドリング時間が設定できるようになっています。僕は10分に設定してあります。
10分経過すると、自動的にエンジンが止まるわけですが、真冬だと10分程度のアイドリングでは解氷が終わらない日もあるんです。
そんな時追加でエンジンをスタートしてしまう・・。さすがに20分はエンジンかける必要ないので、ガソリンが無駄になってしまう。
けど、やめられない・・・。
当然燃費も悪化します。僕の車、夏の気候がいい日にエアコンをつけないで走ると最高でリッター12kmくらいを記録しました。
真冬でエンスタを多用するとなんとリッター7km台の最低ラインを記録してしまいました。その差、リッター5kmこれはヤバいです。
それほどアイドリング時間って、燃費に直結してくるんです。
暖機運転の理想は、ファーストアイドルが下がる位までエンジンがあたたまれば走り出してOK。もちろんガラスの解氷は終わってないけど、解氷スプレーや氷を削るスクレーパーなどで視界を確保。
走りながら残りの暖機をするのがベストです。
ヒーターはエンジンが温まらないと効きませんが、シートヒーターのある車ならしのげます。
もしシートヒーターがなくても、汎用のシートヒーターを付ければOK。
最近この手のシガーソケットに繋げるシートヒーターが非常に便利です。これはエンジンが温まってなくても、電熱なのですぐにシートが温まります。
ヒーターを待っているよりこういうアイテムを追加すれば、暖機運転は短くできますから。
今回は、リモコンエンジンスターターを使うことによるデメリットを5つ書いてみました。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。