自動車整備士をやっていると、預かっている車でショックを受けるシチュエーションがあります。
多分オーナーからしてみれば、
「そんなこと思いもしなかった!」
と感じることかもしれません。
これをしておいてくれるだけで、整備士の作業がスムーズになります。現場の整備士からの声をお届けします。
目次
グローブボックスの中は片づけておいてほしい!
まず1つ目のお願いです。グローブボックスの中はある程度片付けておいてほしいということ。
これには条件があります。車検整備などをする際に必要書類を手渡されない場合。車検を受ける時って、最低でも車検証と自賠責保険が必要になります。
オーナーがあらかじめ抜いておいてくれるのであれば、グローブボックス云々は関係ありません。グローブボックスを片付けておいてほしいという要望は、大体がこの中に車検書類が入っているから。
車検証が入ってるホルダーが無理やりグローブボックスにぶち込まれている場合が多いです。一度開けたら閉められないくらいゴチャゴチャな車もあります。
できれば車検証ホルダーを出し入れができるくらい片付けておいてくれれば助かります。
入庫時に燃料警告ランプが点灯しているのはやめて
これも常識的に考えるとないよなぁと思っちゃいます。
預かった車のエンジンをかけると燃料警告ランプが点いてしまってる車、あるんです。そもそもお客さんの家に引き取りに行った時点ですでに点灯しているものもあります。
おいおい、これって工場まで戻るだけ燃料残ってるの?ってとても不安になります。
田舎の車屋あるあるなんですけど、よく言われるのが
「ついでにガソリンも満タンにしておいて!」
って。この要望非常に多いです。しかし、車検整備をする時ってエンジンもかけるしある程度のテスト走行もしたい。
さらに完成検査時はエンジンを完全暖機して排気ガスを計測しないといけない。そもそもある程度燃料が残っていないと整備ができないわけです。
車屋さんに預ける時、ガソリンが空からなのはやめてください。
雪が降って積もってるのにノーマルタイヤ・・・
よく覚えています。僕が整備士になりたての頃、車検の車を預かりにお客さんの家に引き取りに出かけたんです。
1台に2人で行って、先輩はお客さんの顔を見た瞬間に乗ってきた車で帰ってしまった。預かる車がなんとノーマルタイヤだったんです。忘れもしない初代アリストです。
FR車のアリストで、外はその日大雪。車庫から出すことすら不可能。
どうしたかというと、車庫保管のアリストだったので、その場でスタッドレスタイヤに交換させてもらって会社に乗って帰りました。
おそらく冬場は乗らない車なんでしょうね。引き取りに行ったときに雪が積もってるのにノーマルタイヤっていうパターン。多いです。これもちょっと困ります。
この時のようにその場でコンディションよくタイヤ交換をしてから引き取れるわけでもありません。
先日も大雪の次の日、トラックの車検で取りに行ったらまさかのノーマルタイヤだった。さすがにその場で交換が無理だったので日にちをずらしてもらいました。
最初からノーマルタイヤですよって教えておいてもらえれば、日程を変更することもできますけど。引き取りに行ってノーマルっていうと困っちゃいます。
エンジンのサービスホールが開けられないほど荷物満載
乗用車ならエンジンはボンネットの下にありますね。ですがキャブオーバー車だと座席の下にあります。
座席の下にエンジンがある場合って、座席を持ち上げる必要があるんです。
しかし、座席の後方にありえないくらい荷物が積んである場合。これもあるある。
よくあるのが軽の箱バン。エブリィとかアトレーです。使っているのが設備屋さんのケース。
もうものすごく荷物満載なんです。どけるスペースなんかない位。
エンジンを整備したくても荷物を降ろさないと、エンジンにたどり着くことすらできないパターン。
アクティやサンバーだと後ろにエンジンがあって、サービスカバーがついてます。その上に荷物をたくさん載せてるケースも多いです。
特に貨物車ですね。車検に出す時は荷物を降ろしておいてほしいです。
車検の時納税証明書がない・・・
毎年5月に自動車税がきますね。その納税を済ませたら、納税証明書を車検の時に使います。これ、知らない人が多いです。免許取り立ての人ですね。
初めて自分で車検に出す場合。必要書類の中で納税証明が分からない。車検証と自賠責は車の中にあるとして、納税証明書なんか納付した後捨てちゃったって人。多いです。
意外にも困るのが軽自動車です。同じ市内に住んでいるのなら再発行は簡単にできます。市役所に行けば無料でできます。
ですが、市外にお住いの人は居住区の市役所でしか再発行をしてもらえないんです。
普通車になると電話一本で納税の確認が取れてしまうので、さほど困りません。
自動車税を納税していないと車検の検査登録ができないんです。それを知らない人が多い。
初めて車検依頼をもらう人の場合、口酸っぱく納税証明書だけは何とかしてほしいと伝えておきます。特に市外に住んでいる人は要注意。
車屋さんと同じ市内であれば大丈夫なんですけどね。
以上、自動車整備士から修理に出す時のお願いでした。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。